設計コンセプトConcept

健診

法定健診を計画条件として整理する

田淵 幸嗣

 法定健診は、対象者や実施の根拠が比較的はっきりしているため、計画の前提をそろえやすい領域です。ここで設計者が先に確認するのは、制度の知識そのものではなく、制度の違いが建物の使われ方にどう表れるかです。

 具体的には、受診者が集まりやすい時間帯、受付で確認が増える場面、更衣や順番待ちが増えやすい工程、説明が必要になる場面を整理します。これらを先に整理しておくと、入口まわり・受付まわり・待合の位置を、運用に合った形で決めやすくなります。

法定健診で先に確認するのは「受診者の集まり方」

 同じ検査内容でも、企業の定期健診のように団体でまとまって来る場合と、住民健診のように時期や曜日で人数の増減が出る場合では、入口から受付までの混み方が変わります。設計では、まずこの違いを見ます。
 ここで大切なのは、どの時間帯に人が集中しやすいか、受付でどのような確認をするのか、順番待ちがどこに出やすいかを、建物の計画に使える言葉で整理することです。

定期健診は、検査項目より「工程の順序」を確認する

 定期健診は、検査項目の検査室をそのまま並べるより、測定、採血、画像、診察・問診など、工程としてまとめて考える方が計画しやすくなります。工程ごとに所要時間の目安を推計すると、どこで順番待ちが出やすいか、どの工程が受入枠の上限に影響しやすいかが見えてきます。
 この整理は、検査室の数を先に決めるためではなく、受付・待合・呼び込み位置・検査室の前後関係を無理なく組み立てるために行います。

特定健診は、説明が必要な場面を先に整理する

 特定健診では、確認や説明が必要な場面が出てきます。設計では、説明する場所が通路際や受付前にならないように、あらかじめ位置を決めておくことが重要です。
 説明の場所が曖昧だと、その場その場で対応することになり、受付まわりで立ち止まる人が増えます。反対に、説明する場所と待つ場所を先に決めておけば、流れを崩さずに対応しやすくなります。

計画における検討事項
・受診者の集まり方・確認・説明の場面を先に整理する。
・定期健診は項目名より工程の順序を定め、順番待ちが出やすい場所を把握する。
・特定健診は説明する場所を先に決め、受付まわりに対応が集中しないようにする。