作品紹介Works
高齢者
社会医療法人社団正峰会 「ヴェルディアせいほう」

社会医療法人社団正峰会は、兵庫県西脇市を拠点に神戸市にも病院、高齢者施設を運営されています。「ヴェルディアせいほう」は、神戸市営地下鉄 西神中央線「学園都市駅」から徒歩15分、建設地の隣接には集会所、地域福祉センター、小学校、学園東町公園があり静かな住宅地の一画に建つサービス付き高齢者向け住宅です。すぐ近くにスーパーもあり高齢になっても住みやすい環境の中に計画されました。神戸市研究学園都市の中に位置し、良好な環境生成のために建物配置についての制約(建物壁面ラインは南側道路から5m以上、隣地から3m以上の距離を設ける、日影規制等)がありましたが、その条件の中で最大限の居室数を確保しながら入居者の生活空間に配慮した計画を行いました。「ヴェルディアせいほう」は、正峰会グループとしては7棟目の高齢者の住まいとなります。
これまでも、さまざまな形態の高齢者の住まいを計画しています。弊社設計の「高齢者住宅」は、下記よりご確認いただけます。
・ハーベストコート桜丘1号館(西脇市:有料老人ホーム)
・ハーベストコート桜丘2号館(西脇市:有料老人ホーム)
・ハーベストコート桜丘3号館(西脇市:サ高住):弊社HP参照
・有料老人ホームきょうらく(舞鶴市:有料老人ホーム):弊社HP参照
・グランマーレせいほう(舞鶴市:サ高住、特定施設):弊社HP参照
・有料老人ホーム神戸大山(神戸市:有料老人ホーム):弊社HP参照
南西外観イメージ
高齢者の施設は比較的落ち着いた色彩計画にすることが多いですが、幹線道路から一筋入った敷地にあるため、周辺環境に配慮しながらも元気になれる明るい色で、視認性の高い外観にしたいとの要望もあり、外壁に赤色を採用しました。GoogleEarthの合成パースでもわかるように神戸という地域柄か洋風瓦を使用した住宅や青色や赤茶系の色を使った建物も多く見受けられます。周辺は緑も多く、南側歩道に面した空間はできる限り植栽帯とし、四季を感じられる樹種を選定することで、バランスをとりながら赤色の壁面量を食堂部分と屋外階段部分に決定しました。 幹線道路から来られた時に東側からも西側からもわかりやすい建物になりました。

施設概要
サービス付き高齢者向け住宅に入居される方は、比較的自立度の高い方を想定していますが、いずれ介護支援が必要になることにも配慮し、1階に仰臥位浴、2階に座位浴、3階に介護用一般個浴を設けています。要介護になった場合でも施設内で、入浴サービス提供が可能な計画としています。 食事については、法人が運営する給食センターから配食される食事を提供するため施設内の厨房は一時保管的な役割になっています。 居室は18㎡とし、各居室にはトイレと洗面、収納が設けられています。入居者は、併設される「定期巡回随時対応型訪問看護介護事業所」「訪問看護事業所」「訪問介護事業所」と個別に契約を行うことで個々の必要なサービスの提供を受けることができます。スーパーへの買い物や公園への散歩も自由に行うことが可能です。

1階フロア
1階は、居室4室、食堂談話室、仰臥位浴、事務室、職員スペースなどが配置されています。 エントランスホールの右側はスタッフ休憩室や配食された食事の一時保管スペースとなっています。 サ高住の事務所は来訪者の確認がしやすい位置に配置するとともに入居者の出入りの確認や家族等の来訪の確認ができるよう風除室に面した受付カウンターを設けています。1階は4室なので食堂談話スペースは少しコンパクトですが対面キッチンを採用し、食事提供時の見守り等にも配慮しています。 サ高住の場合部屋の移動はあまりありませんが、重度の方は1階の利用を想定し仰臥位浴を1階に配置しました。

2階フロア
2階フロア 居室14室、食堂談話室、座位浴室、脱衣室、スタッフスペースの諸室が配置されています。 エレベーターから出ると正面に食堂談話スペースが広がり、南側の大きな開口部から陽の入る明るく暖かい空間となっています。サ高住の場合は昼間の人員配置は施設全体で1人で良いですが、将来の対応にも考慮し仮眠スペースも想定したスタッフステーションをエレベーターホールに面し配置しています。スタッフの移動に配慮しエレベーター横に屋内階段、安全な非難を考慮し反対側に屋外階段を配置しました。また居室からはバルコニーを通じて屋外階段への避難も可能となっています。食堂談話スペースは、南側に面しカウンター席を設け外を見ながらゆっくりすごせる場所となっています。

3階フロア
3階フロア 居室14室、食堂談話室、介護用個浴、脱衣室、スタッフスペースの諸室が配置されています。 フロアの構成は2階とほぼ同じになっています。3階は比較的自立度の高い方の入居を想定しており、介護用個浴を採用しましたが、将来的にはスライド型シャワーチェアーを設けることで座位の取れる方の介助入浴も可能になります。
居室内の手洗いトイレの開閉方法の検討
サービス付き高齢者の入居者は、入居時は比較的自立度の高い方が多いですが、昨今入居時の年齢が高い方が多く、短期間で車椅子の利用が必要になるケースも多いため、手洗いの位置や車いすでのトイレ移動、排泄介助等を想定し、いくつかのパターンを検討しました。同法人のハーベストコート3号館(弊社HP掲載参照)では、居室の間口が3.6mと広く取れたので「居室B2タイプ」を採用しましたが、今回は、限られた敷地にできるだけ多くの居室を配置するために居室の間口が3.0mと少し狭くなったため入口周りの車椅子での利用を検討した結果「居室A1タイプ」を採用しました。トイレの扉を2枚引戸にし、トイレの後ろに収納を設け、収納部分まで扉を開くことができるようにすることで、トイレの横からの介助が可能な開口幅が取れるようにしました。普段は引戸を1枚引くことで利用できます。利用頻度の高い手洗いの位置は、出入口近くよりもベッドから近いほうが良いとの判断となりました。


2階・3階 食堂談話スペース(EVホール側から)

2階・3階 食堂談話スペース(オープンキッチン)

エントランスホール(手前から)

エントランスホール(奥側)庭を望む

室番号の視認性を考慮した居室出入口枠を製作
廊下の両側に居室が並んだ場合、どうしても居室サイン(部屋番号)の視認性が低くなります。ホテルのように部屋の出入口部分に凹凸をつけ部屋番号をわかりやすくすることができればいいなと思いながらも限られた敷地を効率よく活用するためにはまっすぐな廊下にせざるを得ませんでした。高齢者の施設では廊下には手すりが設けられます。その出幅をうまく利用して通行の妨げにならない出幅で扉の枠を工夫しました。枠の出幅を大きくし、かつ斜めに製作し枠に部屋番号を表示することで、壁面に設けるサインよりも視認しやすくなったと思います。
- 建築主
- 社会医療法人社団正峰会
- 所在地
- 神戸市西区学園東町
- 用途
- サービス付き高齢者向け住宅(32室)
1階:定期巡回随時対応型訪問看護介護事務所
訪問看護事務所・訪問介護事務所
サービス付き高齢者向け住宅:4室
2階:サービス付き高齢者向け住宅 居室14室
3階:サービス付き高齢者向け住宅 居室14室
- 構造
- 鉄筋コンクリート造
- 階数
- 3階建て
- 敷地面積
- 1098.87㎡
- 建築面積
- 585.53㎡
- 延床面積
- 1614.10㎡
- 竣工年月
- 2026年2月
- 担当者
- 相本正浩

