作品紹介Works

高齢者

特養 橘~たちばな~

平成24年2月、福知山市三和町に地域密着型介護老人福祉施設(小規模特養)が開設しました。29人定員のユニット型特養であり、ショートステイを併設しています。
事業主様は、地域の方とのつながりを大切にしながら 知的障がい者入所施設を運営されています。
障がい者サービスの分野でも、ご利用者の方の高齢化問題はそう遠くない課題でもあり、高齢者サービスにも非常に高い関心を持たれておられました。
この施設は、三和町の地域の方に「真に必要とされる」施設(住まい)を目指した福祉サービス拡充の取り組みの一つです。 お年寄りが住み、暮らし、笑い、泣き、語り合う場所をつくりました。

地域に開かれたエントランス

近隣の知的障害者施設、地域の育児サークル・・・高齢者だけでなくいろんな世代の方が訪れる地域密着型特養にしたいという想いから、エントランスは車寄せから雨にぬれずアプローチできます。

ひろい土間空間をそなえた風除室は地域にお住まいの方、子供さんの来訪を受け入れます。
豆砂利洗い出しの床、淡紅土壁や木製の鴨居など、昔からある材料で空間づくりをしています。
ここでゆっくり立ち話をしたり、お出迎えやお見送りができる場所になりました。

セカンドリビング

セカンドリビングは、入居者と地域の方のふれあいの場所として使っていただけます。

隣接する多目的ホールや中庭と一体的に利用することによって様々な行事・用途を受け入れることができるように考えました。
ユニットを超えた2つ目のリビングとして、入居者の方が地域社会と接点をもつ場となります。

特養ユニット

ユニット玄関には 表札と玄関灯が設けられています。
小さな坪庭や飾り棚を設け4つのユニットごとにそれぞれ異なる表情の玄関となっています。


ユニットのリビング(共同生活室)は日当たりのよい中庭に面しています。
お向かいのユニットの気配を感じつつ壁の凹凸でゆるやかに空間をわけ、見守りの中で安心して快適にすごせるリビングになっています。



ユニット内の床はすべて二重床になっており、転倒時の衝撃をやわらげるように配慮されています。
各ユニットにはリビングの他に談話コーナーを設けています。
談話コーナーに面して小さな坪庭があり、入居者の皆様は思い思いの場所で過ごすことができます。

窓のあるお手洗い

特養のお手洗いはすべてに窓をつけて、自然換気ができるようにしています。
気持ちの良いトイレ空間を提供します。







ショートステイ居室

ショートステイの個室のトイレはすべて窓際に配置し、換気ができる明るい空間になっています。
トイレにすぐいけるように、ベッドのレイアウトを変えたり、扉をはずしたりすることもできます。

浴室へ

今計画では各ユニットに浴室を設置しています。
浴室は隣のユニットと隣接して、水回りを集めることでスタッフ動線がスムーズになるように配慮しています。
ショートステイユニットと特養ユニット1の浴室エリアはユニットからつながる前室を通って中庭をみながら浴室に向かいます。
住宅のお風呂の雰囲気とはすこし変え、離れのお風呂に行くような感覚です。



浴室からは庭園を見ながら、ゆっくりお風呂の時間を楽しんでいただきます。 お風呂上がりの時間も小さな前室で過ごすことができます。

建築主
社会福祉法人 福知山学園
所在地
京都府福知山市
用途
地域密着型介護老人福祉施設29名
ショートステイ10名
構造
鉄骨造
階数
平屋建
延床面積
2277㎡
竣工年月
平成23年12月
担当者
砂山憲一 , 岩﨑直子 , 丸川景子