作品紹介Works

病院

谷川記念病院 増築

地域で30年以上に渡り親しまれてきた病院の増築計画です。
地域で要望の多い婦人科外来を積極的に受け入れつつ、内視鏡外科 (低侵襲医療)に特化した診療、手術も行うという地域密着と専門特化の両方に意欲的に取り組まれている病院です。
一方で、医療法の改正に伴う廊下幅、病室面積の増加への対応や最 新の医療設備を取り入れるには病院の面積自体を広げる必要にも迫られていました。

使いながら改修

増築計画に先立ち、まずは既存建物の改修、改装計画から取りかか りました。将来増築する建物とは渡り廊下でつながる為、改装の段 階で増築建物を含めたフロア毎のイメージカラーを選定しました。特にトイレはイメージだけでなく、湿式から乾式に清掃方法も含めて改修しました。
基本的に使いながらの改修の為、病室の稼働状況を見ながら患者さんにフロア移動もお願いしながら細かく仮囲いをすること、 逐一工程の調整を行うことに気を配りつつ工事を進めることが求められま した。

新耐震基準の建物への増築

既存建物は昭和59年竣工の為、新耐震基準で設計されています。 地震に対して一定の安全性が確保されていると見なせる為、 既存面積の2分の1までは構造に関して現行法の遡及を受けることなく計画が可能でした。 容積率にはまだ余裕がある為もっと面積を広げた いという要望もある中で、 優先順位をつけながらの計画となりまし た。

増築建物は下記4点を柱としています。
1.最先端医療の提供(手術室、中央材料室の増設・更新)
2.救急の積極的受け入れ(救急処置室の整備)
3.治療環境の充実(個室、特室の充実)
4.婦人科外来の充実

外観は2、3階部分は既存建物に合わせた寸法、色目のタイル貼りを採用しつつ、 人目につく1階部分はやわらかいピンク色のタイル貼りとし、そこに一筋の水色のボーダーを差し込んでいます。 赤系統(ピンク)と青系統(水色)は病院のロゴサインにも使われ ている色でもあり、 また一筋のボーダーは柔らかい雰囲気を持たせつつ 最先端の医療を行っているという雰囲気も示したいという事業 主の想いを反映しています。

既存棟と増築棟をつなぐ庇は増築建物の柱の一つである救急の受け入れ口であると共に 婦人科外来のアプローチにもなっています。 婦 人科外来の入口は少し奥まらせ、また手前にルーバーを配して軽い 目隠しとなるよう計画しています。

病棟廊下は淡い色目の木目床に少し調子を変えた木目の腰壁を合わ せ、 少し大きめの手すりを配してまとめています。 屋外に見えるバ ルコニーにもウッドデッキを敷き詰め、腰から床にかけては全て木 目のイメージとしています。 ナースコールは名札の無いランプ式と し、病室サインとまとめ、 患者さんの名前は廊下からは直接目に触 れない想定としています。

細かい内装、家具の打合せはこれからですが、より地域に密着し、 同時に専門にも特化した病院づくりのお手伝いができるよう継続し て工夫を積み重ねていきます。

建築主
医療法人 篤靜会 
所在地
大阪府茨木市
用途
病院43床
担当者
玉井英登 , 清水大輔