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高齢者

社会福祉法人 大和会 特別養護老人ホーム つつじの丘

建物南西面鳥瞰CG

概要

計画地は奈良県の山間部に位置する山添村です。周囲を山々に囲まれた緑豊かな環境でありながら、主要幹線道路である名阪国道のインターチェンジに近接しており、車によるアクセスも便利な場所になります。
奈良県において広域型特別養護老人ホームの整備が計画されたのを機に、高齢者入所施設の整備を望んでいた山添村の要望を受けて、社会福祉法人大和会が計画を行うこととなりました。

フロア構成図

全体構成

特別養護老人ホームつつじの丘は
1階:デイサービス、厨房、事務部門
2階:特別養護老人ホーム40床(4ユニット)
3階:特別養護老人ホーム10床(1ユニット)、ショートステイ10床(1ユニット)
という構成の建物です。
メインとなる2階は、階段やエレベーターを配置した中央部を中心に、4つのユニットが取り囲むような構成となっています。建物長手の中心線に沿って、大小3ヶ所の吹抜を配置し、共用部の採光・通風にも考慮した形となっています。

2階平面図

浴室拡大図

平面計画の特徴

平面計画で特徴的なのは浴室の配置です。浴室は全て階段やエレベーターを配置した縦動線のある建物中央部分に配置されています。大和会では既存の特養において、居室から浴室への移動→入浴→浴室から居室までの移動、という入浴における一連の動きを、入居者に対して同じ職員が一貫して行うという方針を持っており、新築建物においても同じ方針で入浴を行うと考えたとき、4ユニットに囲まれた中央部に浴室があれば、ユニット内に浴室を配置したケースに比べても、それほど大きな動線の延長にはならないという判断から、中央部に浴室を集中配置することとなりました。また中央にあることによって以下のような利点もあります。

・浴室を中央にまとめることで、同時に入浴している際の職員間の連携がとりやすい。
・複数の機械浴槽を中央のまとまった位置に配置することができるため、異なる機械浴槽を配置することで、様々な状態の入居者の入浴に対応しやすくなる。
・デイサービス利用者の中に座位保持の難しい方がおられても、2階中央に配置されたチェアイン浴槽を利用できるので、短い移動距離で対応できる。
・浴室を中央にまとめ、湯上りスペースのような共用スペースを設けることで、入浴という日常動作の中で、ユニット間の入居者や介護職員のコミュニケーションの機会が期待できる。
・ユニットごとに浴室を設ける場合より、施設全体の浴室数が減る傾向にあり、導入する機械浴槽の台数も減るため、工事費の削減や備品を含めた全体予算の削減が期待できる。

建物西面CG

建物南西面CG

施設の在り方を表現したデザイン

外観は特別養護老人ホームという建物がどのような場所であるかを表現しています。
特別養護老人ホームとは、様々な個性を持った人たちが、隣同士で、上下階で、つながり、交流し、協力し合いながら生活している場所であるとの考えから、それぞれデザインの異なるバルコニーの腰壁を分散配置することで個性的な人々を表現し、それぞれの腰壁が横のラインでつながり、また中央の大きな壁面や縦格子で上下階でもつなげることで、様々な人たちがつながり、交流し、協力し合って生活していることを表現しています。
現在以上のようなコンセプトのもと現場監理・工事施工中です。

記事作成:玉井英登

建築主
社会福祉法人大和会
所在地
奈良県山辺郡山添村
用途
特別養護老人ホーム(50床)
ショートステイ(10床)
デイサービス
構造
鉄筋コンクリート造
階数
地上3階
敷地面積
4,610.61㎡
建築面積
1,670.66㎡
延床面積
3,654.31㎡
竣工年月
2023年1月(予定)
担当者
玉井英登 , 丸川景子