作品紹介Works

診療所 / 透析

みらい内科クリニック

建物正面より

概要

みらい内科クリニックは鳥取県倉吉市にある透析室を有するクリニックです。
長年この地で透析クリニックを運営されてきた医師の方が、既存病院の近隣で移転新築を行った計画です。
1階は診察室3室、処置室、内視鏡室、レントゲン室、点滴治療室、事務部門を配置した外来フロア。
2階は透析室24ベッドと個室透析室1ベッド、透析患者専用の待合室、男女更衣室、透析機械室等透析事務部門を配置した透析フロアという構成となっています。

患者とスタッフの動線を完全に分離した平面計画

1階の外来フロアは、バックヤードにスタッフ作業スペースを配置し、その空間を挟む形で、診察室や処置室の診療部門とスタッフ用の諸室を配置することで、患者用のスペースとスタッフ用のスペースを分離し、患者とスタッフの動線が交錯しない計画となっています。
2階の透析フロアも、透析室を挟む形で透析待合や更衣室などの患者用のスペースと準備室や透析機械室などのスタッフ用スペースを配置することで、患者とスタッフの動線を分離できる計画となっています。
また昨今の感染症蔓延の状況もあり、患者同士の距離を確保したいという考えから、透析室のベッド間は約2mの距離が設けられており、ゆったりとした透析室となっています。

建物南東側より空撮

約2mのベッド間を確保したゆったりとした透析室

1階平面図

2階平面図

ゆう設計独自の空調換気システムの採用と感染症対策を考慮し新機能を追加

透析室の空調設備はゆう設計が計画した多くの透析施設に採用されている独自の空調システムを採用しており、透析患者が治療中に影響を受ける空調の風を最小限に抑えることが可能です。
完成にあたっては第三者の検査機関による風量・風速測定を実施し、以下の概要図にも書かれている設計時想定していた空調の風量・風速の数値が、実測で満たされていることを確認します。
実測により風量・風速に誤差が生じた場合でも、風量・風速を調整できる開閉装置が組み込まれていますので、調整計測を繰り返すことで理想的な空調環境を実現することができます。

透析室空調調査(1分41秒)

また新しい試みとして今回の空調換気システムには感染症対策を考慮し、空調により室内を循環する空気をよりクリーンに保つための機能として、空調設備の中に中性能フィルター(比色法90%以上)を設置できる機能を追加しています。
具体的には天井内の空調機器本体に中性能フィルター設置用のチャンバーボックスが接続してあり、特に室内空気の清浄度を気にされるような事態になった際には、このチャンバーボックスに中性能フィルターを設置することで、室内空気の清浄度を上げることができるようになっています。

ゆう設計空調システム概要図

利用者のイメージを意識したデザイン

外観は「一見するとクリニックに見えない幹線道路沿いに建つカフェのような建物」というご要望を受けてデザインを行いました。
平面的にも立面的にも複数のブロックを組み合わせたような形状に、色幅のある複数の外壁材を配置し、印象的なデザインとしています。
計画地はバスも通る比較的交通量の多い県道に面しているのですが、工事期間中から計画地の前を通られた方より「カフェができたと思っていた。」と言っていただいたこともあり、狙い通りのイメージを持っていただけるデザインになったと思います。

建物南西より

建物南東より

1階:受付・会計

計画地は日本海に近く、冬季は曇りや雨の日が多く日照時間が少ない土地柄ということもあり、新規患者の方も来院される1階外来フロアの内観は「入りやすく元気が出る明るいイメージ」というご要望を受けてデザインを行いました。
明るい色調の木、石、布など様々な質感を持つ材料を配置し、明るく活動的な空間となっています。

1階:外来待合

1階:エントランス

一転して基本的には同じ患者が定期的に訪れることになる2階透析フロアの内観は、透析室という長時間治療を行う空間という性質から、1階とはガラッと雰囲気を変えた「ゆったりと過ごすホテルのようなイメージ」でデザインを行いました。
暗くなりすぎないように意識しながらも、落ち着いた色調の様々な質感を持つ材料を組み合わせ、長い治療時間をゆったりと過ごせる空間となっています。

記事作成 玉井英登

2階:透析待合

2階:透析室スタッフステーション

2階:透析待合カウンター

建築主
山本 了
所在地
鳥取県倉吉市
用途
診療所(透析室25ベッド)
構造
鉄骨造
階数
地上2階
敷地面積
1,391.32㎡
建築面積
624.79㎡
延床面積
1,026.67㎡
竣工年月
令和3年6月
担当者
河津孝治 , 玉井英登