作品紹介Works
透析 / 診療所
医療法人社団晴山会
ROSE GARDENクリニック

医療法人社団晴山会 ROSE GARDENクリニックは2018年に開業された透析専門の有床診療所です。今回の改修工事では主に二つの目的で改修しています。一つ目は、透析ベッド数が足りなくなった為、有床診療所の病棟を閉鎖して、透析ベッド数の増やすこと。二つ目は、開設から8年が経過して透析患者の状態の変化への対応です。
現状の見守り方法とプライバシー対策
既存の透析室は50床の内、47床を扉の設けない準個室、3床を感染対策の個室で構成されていました。透析室はほぼ準個室で構成されており、プライバシー対策のパーティションによって、高齢の透析患者や軽度の認知症患者など、重点的に見守りを必要とする患者にどのように透析スタッフが対応するかが問題となっていました。

建物の外観

既存の透析室
利用者の変化に合わせた『プライバシー対策と見守り』
既存の透析室の一番の特徴は感染対策の個室以外を全室準個室で構成している点です。透析患者の治療中のプライバシー対策を大切にされてきたクリニックなので、今回の増床エリアではプライバシー対策をどのように残しながら、透析患者の見守りを行うか検討しています。
既存透析室では対応が難しい高齢患者や軽度の認知症患者などの見守りを重視するエリアと中央のスタッフステーションからベッド間の間仕切り壁があっても見守りしやすいエリアに分けています。また既存の病室を利用した個室も残して、患者の状態に合わせたベッドを選べるようにすることで、患者とスタッフの双方にとって、最適なベッドを利用できるようにしています。
既存の透析室と合わせて、クリニック全体では下記の4パターンから選んでもらえるようになっています。
・個室
・準個室
・大部屋透析室(ベッド間の間仕切り有)
・大部屋透析室(ベッド間の間仕切り無)

ベッド間の間仕切り形状について現場での検証
右の写真は設計で想定したパーティションを現地に置いて、スタッフの方々と現場検証を行っている状況です。設計の打合せ段階ではパースなどのCGを使ってパーティションの高さや出幅の検証を行っていますが、工事段階では最終確認を行えるように模型を準備しています。
当初はパーティションの高さを既存の準個室に合わせた1.7mで計画していました。しかし現場で検証を行った際に、スタッフの方々から各ブースで準備や患者の対応をしているときにも隣のブースの見守りを行いたいとの意見がありました。
その為、ブースの高さは患者同士の目線は遮って囲まれた安心感は残しつつ、スタッフが隣のベッドも見守れる高さに変更を行いました。

スタッフの配置と作業効率の向上について
透析室内のスタッフ配置で大切な要因 は以下の項目です。 1.体重測定などの受付 2.透析患者の見守りや担当分け 3.器材準備の効率 図2 の平面図は透析室のスタッフの配 置について、スタッフステーションの形 状の検討を行っている図面です。
②計画案では、受付やスタッフステー ションを分散配置して、急変時にすぐ駆 け付けれる計画です。 しかしスタッフステーションを分けるこ とで、患者の担当も分かれてしまい、全 体での配置の効率が悪くなる為、スタッ フステーションを集約した③計画案を採 用して、人員配置の効率化を図っています。

スタッフの作業効率を考えると透析室と器材庫や倉庫などの部屋の配置計画だけではなく、透析室内の作業効率を配慮した計画が重要です。
重要なポイントは透析室内の手洗いやゴミ置場、清掃資材の置場などです。
透析室内の準備作業などの動線に合わせて、スタッフステーションの作業カウンターに手洗器や清掃資材やゴミ置場など組み込んでいます。また各ベッド廻りでも、ゴミを捨てることができるようにパーティションにもゴミ袋をつけれるようにマグネット用の下地を組み込んでいます。


手洗いや清掃器材やゴミ置場などを組み込んだ作業カウンター

マグネットの下地を組み込んでいるベッド間の間仕切り
改修範囲とコストコントロール
病棟から透析室への用途変更は決まっていましたが、改修範囲や透析ベッドの増床数などは明確に決まっていない中で、お客様と検討する打合せが始まりました。打合せでは、既存の病棟をどこまで透析室として利用できるかも考慮しながら、複数案の改修案とそれぞれの工事費の概算を一緒に提示することで、施設の改修の方向性を一緒に検討しています。
また打合せの中では、ベッド間の間仕切りの作り方によって、金額も大きく異なる為、仕様ごとの費用を提示したり、透析室に隣接した倉庫の一部を将来の透析ベッドの拡張範囲にするなど様々な調整を行いながら、総事業費のコストコントロールも行っています。

- 建築主
- 医療法人社団 晴山会
- 所在地
- 千葉県八千代市
- 用途
- 無床診療所(透析)
- 竣工年月
- 2026年7月
- 透析ベッド数
- 大部屋(PTあり):20床
- 大部屋(PTなし):10床
- 準個室 :47床
- 個室 : 8床
- 担当者
- 山崎慎二

