作品紹介Works
透析
医療法人社団 仁友会 入間駅前クリニック

最寄り交差点からの外観
■地域透析医療を支える、駅前立地の透析クリニック
医療法人社団仁友会 による透析クリニック移転新築計画です。
同法人が運営する3施設の透析クリニックのうち、2施設の透析機能を統合しました。
本計画は、特に、駅前立地による夜間透析患者の利便性向上を重視し、通院負担の軽減と継続的な透析治療を支える地域透析医療の中核となる都市型透析クリニックとして計画しました。
計画地は、西武池袋線「入間市」駅徒歩3分の駅前立地です。
3施設を運営する同法人の中でも、特に夜間透析患者の利便性向上を重視し、通院負担の軽減と継続的な透析治療を支える都市型透析クリニックを目指しました。
駅近という高い交通利便性に加え、16:00〜22:00の夜間透析にも対応することで、仕事や日中活動との両立を可能とし、地域における継続的な透析医療を支える拠点形成を図っています。
■明るく開放的な外観
2階の透析フロアは、外壁一面に連続したガラス窓を設け、外部からも内部の広がりを感じられる構成としています。
外壁と窓のプロポーションは、過度なシャープさを避け、素朴で親しみやすい印象を目指しました。
外壁は2階ガラス窓下から1階の診療エリアにかけてピンク調のせっ器質タイルを採用しています。
入口に近づくにつれてタイルの大きさや表面の違いが感じられ、こうした小さな変化の積み重ねが、地域に親しまれる外観につながると考えています。

■建物の構成
・1階:総合心療内科、腎臓内科などの一般外来エリア
・2階:透析ベッド35床+感染症対策個室2床の透析治療エリア
・3階:事務室と職員の休憩エリア
■「安心」と「快適」を両立する透析空間
●開放的で居心地の良い透析空間
一度に多数の患者が集まって治療する場を、広がりと開放感のある透析空間にしました。
まず、透析室を入って向かい側一面に大きなガラス窓を水平に連続配置することで、入室した際におもわず外を意識してしまうような雰囲気にしました。
天井を外にむけて段階的に高く設計することで空間にリズム(連続性)を生み出し、そのリズムが自然と外へ意識を向けさせるよう工夫し、長時間滞在時の圧迫感軽減を図りました。

また、夏場の日射負荷を抑えるため、大きなガラス面を西日・南面直射の影響を受けにくい北東面の配置計画とし、安定した室内環境を確保しています。
●全体の透析計画
安心して治療を受けられるために、以下の3つエリア分けを行いました。
・中央看守り型の安全性の高い透析レイアウト:中央のスタッフステーションから両側を見渡せる位置に、ベッド32床を3列で配置しました(図:緑色部分)。
患者のちょっとした体調変化にも迅速に対応可能な、安全性を重視した透析空間にしています。
ベッド間は1.0m以上の間隔を確保し、パーテーションによるプライバシー性にも配慮しています。
・体調不良の方:出入り口から離れた静かな場所に配置し、サブスタッフステーションから見守られる環境で治療をうけます。32床の透析エリアとはカーテンで仕切り、双方の健康状態が気にならないようにしています(図:黄色部分)。
・熱発者の方:感染リスクを考慮し、透析室ではなく専用の個室で治療を受けます。動線も分離し、一階から二階のEVホールまでは時間隔離を実施、その後は動線を分けて計画しています(図:赤色部分)。
このエリア分けにより、患者が安心して治療を受けられる環境を整えました。
また、熱発者は透析室とは別入口から感染対策個室へ直接アクセス可能とし、安全性に配慮しました。

2F透析室 平面図

2階透析室:エリア分け
●穿刺時に調光可能な照明計画
透析室の照明は、ベッド上で200lxから750lxまで段階的に調節可能です。
治療時の穿刺などには明るい照明を、治療以外の時間には患者がリラックスできる病室やリビング程度の明るさを採用し、快適さと機能性を両立させています。
●快適な空気環境を保つ空調システム
長時間の透析治療中に生じやすい空調ストレスを軽減なくすため、超低風速空調「ゆう建築設計空調システム」を採用。
空調の風速を人が感じない低風速に抑え、室内温熱環境を安定させることで、患者の身体への負担軽減と快適性向上を目指しました。

感染者対応個室

待合室
■一般外来と透析外来を分離した1Fプラン
1階は、一般外来と透析患者用エントランスを別々に配置し、それぞれの動線を明確に分離した計画にしています。
一般外来と透析外来動線の交差を避けることによって、感染対策に配慮した計画としました。
1階には透析患者送迎用の屋内車寄せスペースを計画し、雨風の影響を受けずに乗降できる環境とし、高齢患者の身体的負担軽減と安全性向上を図っています。
透析専用入口を送迎スペース近傍に配置することで、患者移動距離を最小限に抑えた動線計画としています。

送迎スペース

1F外来・駐車場 平面図
■明るく風通しがよい スタッフ空間
スタッフの休憩空間は、3階の東側前面道路および北側屋上に面した、採光・通風に優れた環境に計画しました。
また、専用の研修室や会議室を設けるのではなく、これらの機能を兼用することで、空間の広さと使い勝手の柔軟性を確保しています。
これにより、快適で多目的に利用できる職員休憩エリアとしています。

スタッフ休憩室
- 建築主
- 医療法人社団仁友会
- 所在地
- 埼玉県入間市豊岡
- 用途
- 無床診療所
1階:内科
2階:人工透析内科
3階:職員エリア
- 構造
- 鉄骨造
- 階数
- 3階建て
- 敷地面積
- 1,312.77㎡
- 建築面積
- 732.78㎡
- 延床面積
- 1,756.25㎡
- 竣工年月
- 2025年12月
- 担当者
- 河津孝治 , 池野雄貴


