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高齢者

京都認知症総合センター

概要

京都府宇治市にある社会福祉法人悠仁福祉会は、地域ぐるみで認知症の人を支える京都創発モデルの構築を目的とした施設「京都認知症総合センター」を京都府内で初めて開設します。
「京都創発モデル」は、認知症になっても初期から人生の最終段階まで、病状の進行に応じた適切な医療・介護・福祉サービスを馴染みの場所で馴染みのスタッフから受けることができる認知症総合支援施設の整備と、地域づくりを併せて推進するものです。
「京都認知症総合センター」は、
①認知症に対応する医療、
②本人と家族に寄り添う初期支援、
③在宅生活を支える通所・訪問サービス、
④手厚くサポートする入所施設
これらすべての機能を一体的に提供します。

京都認知症総合センターが担う機能

①認知症に対応する医療
  京都認知症総合センタークリニック
  訪問看護ステーション ふくろう
②本人と家族に寄り添う初期支援
  カフェほうおう(常設の認知症カフェ)
  ヴィラ鳳凰居宅介護支援事業所
  地域交流センター やまぶきホール(既存)
③在宅生活を支える通所・訪問サービス
  オレンジデイサービスセンター ヴィラ鳳凰
  デイサービスセンターヴィラ鳳凰(既存)
  訪問介護ステーション ふくろう
  ショートステイ 初音・花宴(既存)
④手厚くサポートする入所施設
  グループホームヴィラ鳳凰 ほたる・あおい
  特別養護老人ホーム ヴィラ鳳凰(既存)

認知症になると病院など医療機関への通院、デイサービスなどの支援、症状により施設に入所となります。さらに認知症患者だけでなく周囲の人たちの悩みやストレスも増え精神的なケアが必要になる場合もあります。 認知症は生活・対人環境の変化によって発症する可能性が高いようです(これを「リロケーションダメージ」という。)。つまり、認知症になったからといって生活環境を変えることは返って症状を悪化させる要因になるため、住み慣れた街でケアしていくことが大切です。
従来はこのような関連施設がバラバラに存在していたのですが、これら関連施設を一箇所にまとめワンストップで提供していくのが、「京都認知症総合センター」です。

待合・受付

診察室

1階 京都認知症総合センタークリニック

認知症に関わる専門外来として2つの診察室を設けています。認知症治療のひとつとしてリラックス効果や活力を引き出すなど多くの働きがある音楽療法と記憶の奥に残る「思い出の曲」を適切に使用することで心の安定をはかり、認知症の症状緩和に役立つ神経心理検査などを行うことができるよう防音性能がある検査室を設けています。
待合スペースの受付カウンターは、車椅子の方に配慮した高さとし、足元は車椅子が入るスペースを設けています。
内装材は、感染症対策として次亜塩素酸ナトリウム水溶液での消毒が可能な木質調腰壁や長尺ビニル床シートとしています。また、掃除・消毒が容易に行えるよう巾木は床材巻き上げとしています。
第1診察室と処置室は、受付・事務室からスタッフ通路を設け、患者様とスタッフ動線を分離しています。

1階 オレンジデイサービスセンター ヴィラ鳳凰(認知症対応型デイサービス)

機能訓練室・食堂は、ゆとりをもったスペースとしています。ゆったりとした時間の中で昼食作りや一人ひとりの思いを大切にしたケアが行える居場所としています。
対面式キッチンは、利用者同士が共同で行うことで役割が生まれ、一人ひとりのQOLの向上につなげることを目標にした「料理療法」が行えるよう計画しています。
入浴、トイレは、プライバシーの配慮と落ち着いた空間で利用して頂けるように機能訓練室・食堂から前室を介した配置としています。また、さまざま介護に対応できる2種類の浴槽を配置しています。
オレンジデイサービスセンター ヴィラ鳳凰と既存建物内の一般型デイサービスとは、スタッフの動線を考慮し隣接した配置としています。また、双方のデイサービスセンターのプライバシーに配慮し、渡り廊下・風除室を経由した動線としています。

食堂玄関

機能訓練室

中庭

浴室

2階 カフェほうおう

カフェほうおうは、常設の認知症カフェ、図書展示コーナー、作品展示スペース、多目的室、キッチンを配置しています。
常設の認知症カフェ、は、認知症の方、ご家族、地域の方(子どもからご高齢の方まで)、専門のスタッフが集まる場所となります。誰でも、困りごとなどを専門のスタッフへ気軽に相談できます。また、認知症の方は、それぞれの方がしたいことを見つける場所でもあり、さまざまな活動を自由に行うことができます。ご家族も含めた交流や情報交換ができる場所です。ペッパー君(人型ロボット)も配置しています。 認知症カフェと目的室とは、研修会、会議、ワークショップ、イベントなど様々な用途に対応できるように移動式間仕切壁を設け、フレキシブルに使用できます。
キッチンでは、すべての人が自由に料理を作ることができます。料理を通じた役割づくりや脳の活性化につながる料理療法を行います。
キッチンは様々な人が利用できます。衛生面に配慮した内装材は清潔な仕上げとし、床は水洗い可能な仕上げとしています。さらに利用されない時はシャッターで区画が出来るようにしています。厨房機器は業務用をベースとしながら利用者が使いやすい調理器を配置しています。

カフェほうおう

多目的室

キッチン 食堂

居間 食堂

3,4階 グループホームヴィラ鳳凰 ほたる・あおい

認知症対応グループホームは、キッチン・スタッフルームから居間・食堂、各居室への見守りを重視し、効率の良いスタッフ動線を計画しています。
対面式キッチンは、利用者同士が共同で行うことで役割が生まれ、一人ひとりのQOLの向上につなげることを目標にした「料理療法」が行えるよう計画しています。
3階のガーデン(庭)スペースは、 花や緑は人々の心を和ませ、安らぎや活力を与え、交流の場を創り出します。窓越しに見えたり、直接触れて楽しむことによって、外の状態を認識し、季節感を感じることができます。
感染予防は面会の家族の方など外部から訪問者から感染予防としてグループホームの玄関に手洗いを設置しています。感染時の対策は、居室での嘔吐物・排泄物の処理は、居間・食堂などの共有スペースを通ることなくバルコニーから汚物処理室へ搬出できるように、居室をすべてバルコニーに面するように計画としています。また、汚物処理室からは、他の共有スペースを通ることなく専用の小荷物専用昇降機で1階の汚物前室へ搬出されます。

建築主
社会福祉法人 悠仁福祉会
所在地
京都府宇治市宇治里尻
用途
認知症総合センター
 診療所、認知症カフェ
 認知症対応型デイサービス(12名)
 認知症高齢者グループホーム(9名、2ユニット)
構造
鉄筋コンクリート造
階数
地上4階
敷地面積
4,733.36
建築面積
487.43
延床面積
1,353.65
竣工年月
平成30年3月21日
担当者
近藤吉広 , 冨岡岳