作品紹介Works

高齢者

特養 太子の郷

計画経緯

この計画は同法人の既存施設の移転新築計画です。
既存の建物は特別養護老人ホーム50 床の規模を有していましたが、築年数 は30年を超えており、またその敷地は急傾斜地にあるため、災害時の避難・救助活動が困難であり、利用者や家族のお見舞い等、利便性の面でも不便でした。以上のような状況もあり、 既存建物と同地区である損保郡太子町の田園地帯にある敷地を計画敷地とすることになりました。
移転新築に伴い行政からの要望に基 づき施設機能の拡充を行い、特養80 床(6ユニット×10人十多床室型20床)、 ショートステイ20床(2ユニット×10人)、 小規模多機能型居宅介護定員25名、 デイサービス定員30名、グループホー ム18床(2ユニット×9人)、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所、地域交流スペース、を有する施設として計画 することになりました。

平面計画

建物は総二階建てで、平面形状は中央棟に4つの棟がくっついた形状と なっており、4枚の花弁を持つ花のような形状をしています。
1階は中央棟にメインエントランス、 地域交流スペース、足湯スペース、 喫茶コーナー、リハビリ室を配置し、 建物内で最もオープンな空間となっ ています。中央棟を囲む各棟にはデ イサービス・小規模多機能型居宅介 護、ショートステイ、グループホーム を配置し、事務部門・風房を1棟に集 約し配置しています。
2階は中央棟に談話スペース、ウッド デッキを設けた中庭、機械浴室、医務室を配置し、中央棟を囲む各棟は 特別養護老人ホーム(1棟は多床室 型)を配置しています。
各棟と中央棟の間には玄関扉を設け、 居室から共同生活室、共同生活室か ら中央棟の共用スペースといったよう に、プライベートな空間から段階的にパブリックな空間へとつながっていくよう計画されており、多様な入居者の 方々がそれぞれ自分の気に入った居 場所を発見していただけるように考 慮しています。

エントランスホール:明るい空間が利用者を迎える

地域交流スペース:広々とした空間が地域との交流を促す

足湯:ステンレス部分は車椅子使用者用

中央等中庭:地域交流、リハビリ、足湯から中庭が見える

住空間である各棟は、中庭を取り囲むように共同生活室を配置、その共同生活室を取り囲むような形に居室が配置されており、共同生活部分の環境にも配慮しながら居室の環境を確保しています。また実質的に2ュ ニットをつなぐ回廊となっている共用 部分は職員の見守りのしやすさを確保しています。
多床室型特養の4床室は各ベッドに窓を配置した個室風4床室となっており、多床室でありながらプライバシーを確保した住まいを提供することを意図して計画しています。

全ての共同生活室が中庭に面している

多床方特養4床室:各ベッドに窓を配置している

外観

緑豊かな田園地帯に、巨大な施設を計画するということを意識し、外壁にはやさしい印象のアースカラーを使用。巨大な壁面を木質風の縦格子を配置し分節する ことで、周辺環境との調和を試みました。地域に開かれた通所施設・地域の交流スペースを有する建物という側面もあるので、屋上の庇や、建物正面の車寄せを直線的なデザインで計画し、周辺環境に調和しつつも印象的な外観を創り出すことを目的として外観を計画しました。

車寄せ

各棟の間の中庭が外に向けて広がる形のため、各居室に光が届きやすい

建築主
社会福祉法人 太子福祉会
所在地
兵庫県揖保郡太子町
用途
特別用途老人ホーム(ユニット型、従来型)
ショートステイ
グループホーム
小規模多機能型居宅介護
デイサービス
構造
鉄筋コンクリート造
階数
地上2階
敷地面積
11,228.05㎡
建築面積
4,088.36㎡
延床面積
6,859.90㎡
竣工年月
平成26年3月
内装、ガーデンデザイン
アトリエ・オビリ
担当者
相本正浩 , 玉井英登