作品紹介Works

高齢者

特養 コモエスタにしわき

外観 大きな建物に見えないようにユニットごとに分節しました。

社会福祉法人正峰会は「地域とともにあなたと生きる」を基本理念とし、兵庫県西脇市にて事業を展開されています。
この計画は特別養護老人ホーム50床、ショートステイ10床、デイサービスを含む生活の場を計画するものです。
施設名称の「コモエスタにしわき」は、計画敷地の地名である「蒲江(こもえ)」と、
スペイン語で「お元気ですか」という「コモエスタ」とをかけてつけられたそうです。

2ユニット1グループの構成

弊社では夜間の見守りを考慮し、特養の2ユニットを1グループで考えるプランを提案しています。今回の計画でも2ユニット1グループとし、スタッフルームと浴室等水回りの2か所で2つのユニットをつなげ、環状の夜間の見守り動線を確保しました。別のユニットで何かあった時にも2箇所でユニットがつながっていますので、スタッフが急行できるため入居者にとって安心です。また、夜間のスタッフの歩行距離の低減にも役立つと考えています。

共同生活室は日中は自然光で十分に明るく、春や秋には自然風を感じられる快適な生活の場となるように、中庭に面した計画としました。日中の活動の場が単調にならないように、談話スペースは共同生活室よりも1段天井を下げ、共同生活室とは少し雰囲気を変えています。

共同生活室

ユニット配置

介護度の違いに対応できるように2種類の浴室を2ユニットで共有

浴室は2つのユニットで介護用ユニットバスとADL浴のユニバスを共有し、介護度の違いに応じてさまざまな入浴スタイルに対応できるように計画しました。また、脱衣室を浴室毎に設けるのではなく、1室をカーテンで区切るかたちをとっています。必要に応じて広い1室の脱衣室として利用する事も可能です。また、スタッフ同士が声をかけ合って助け合いながら入浴介助する事ができます。

洗濯室に隣接したサンルーム主には洗濯物を乾燥させるためのスペースですが、出来上がると日光が降り注ぐ大変居心地の良い場所になっていました。どこかでより入居者の方々にも使ってもらえるようなサンルームを計画できたらと考えています。

浴室は脱衣室をユニットで共有

□洗濯室に隣接したサンルーム主には洗濯物を乾燥させるためのスペースですが、出来上がると日光が降り注ぐ大変居心地の良い場所になっていました。どこかでより入居者の方々にも使ってもらえるようなサンルームを計画できたらと考えています。

建設コストを抑えるために整形なプランを選択

昨今の建設コスト高騰の問題から、今回の計画でもいかに建設コストを抑えるかが計画の当初からの課題でした。そこで、シンプルな長方形の平面に必要な機能を納め、前面道路からセットバックした配置としました。ただ単に長方形の建物に機能を詰め込むだけでは長方形の真ん中のあたりでは光も風も入りませんので、随所に中庭を設けることで、採光や通風を考慮した計画としています。
コンパクトで整形な建物とすることは建設コストの低減に有効です。また、敷地ぎりぎり一杯に建てるのではなく余裕を持つことで工事用のスペースを敷地内で確保できるので工事もしやすくなります。工事のしやすさは当然建設コストの低減につながります。

2階から中庭を望む4つの特養ユニットに接続する長い廊下は単なる廊下ではなくここもまた生活の場となるように廊下沿いに絵画が飾られ、中庭や光庭に面して家具やベンチを配置しています。

地域の方々に親しみをもってもらえるように

整形な建物にしたことで道路に面して約70mの長さの大きな建物となりました。道路から建物をセットバックすることで威圧感を低減するとともに、ユニット毎に分節する事で4件の家が立ち並ぶようなデザインとし、地域の方々にも親しみをもってもらえるような建物となるように計画しました。

2階には4つのユニットを計画。採光と通風を考慮し、2ユニットの共同生活室が面する中庭と施設中央に中庭を設けています。

建築主
社会福祉法人正峰会
所在地
兵庫県西脇市
用途
特別養護老人ホーム 50床
ショートステイ 10床
デイサービス
構造
鉄筋コンクリート造 
階数
地上2階
敷地面積
約5000㎡
延床面積
約3600㎡
竣工年月
2016年3月
写真撮影
株式会社エスエス大阪支店
担当者
相本正浩