作品紹介Works

病院

藤民病院

藤民病院は、和歌山市内の120床の医療療養及び介護療養病床からなる病院です。 平成24年に、全館の建て替えのご相談をいただき、併せて外来の強化、また津波等の災害対策等を課題に検討を始めました。病棟横に、新病棟を一部建設する余地があり、ここに第一期の病棟を建設します。その後、病院内での引っ越し後に、空室となった既存病棟部分を解体し、そこに新病棟を建設するというサイクルを2回繰り返し、最終的に全体をリニューアルさせることができました。

スタッフステーション

エントランス

工程

下記の図に記すように、まず空地部分に第1期病棟を建設し、完成後病棟引越しを行い、空室となった病棟を解体し、その空き地に第2期病棟を建設します。引越し後、残る病棟を解体し、第3期工事として、外来部分を含む工事を行います。完成後、病棟引越しと外来部分の稼動を始め、最終的に不要になった既存外来棟を解体し、玄関前の外構工事を終え完成とします。南棟と呼ばれる比較的新しい既存病棟は当面使い続けることとし、将来的に時期を見て最適な病棟等に作り変えることを検討されています。 建設―解体―建設のサイクルを繰り返すことと、各工期に準備工事、設備切り替え工事が発生し、工程的には23年8月から準備工事を始め、26年の2月に竣工しました。

工期別の建て替え計画

計画の要点

今回の工事は居ながら建替えで、工事中は新築工事や既存病棟の解体工事の騒音を如何に抑えるかが課題です。入院患者様、スタッフの皆さんに加え近隣住民への配慮も必要です。これらの騒音振動対策に加え、防火防災の処置、外来機能温存、配食を絶やさないことなどがポイントとなりますが、建築基準法等法的には、設計当時は1/2規定(平成24年9月に廃止)が生きており、全体計画認定を受けて進めることになりました。全体計画認定 : 当時は全体計画認定は、都道府県によってかなり扱いが違いましたが、和歌山県では、比較的認定条件が明確で2月程度の審査期間でクリアし、着工に向けて進めることができました。

建築主
藤民病院
所在地
和歌山県和歌山市
用途
病院 医療・介護療養病床 計120床
構造
鉄骨造
階数
地上3階
竣工年月
平成26年2月
担当者
矢木智之