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◇どうなる?療養病床〜2012年度介護療養病床全廃へ〜◇


厚生労働省は、2012年度(平成24年度)より、
介護療養病床を廃止する方針を固めました。


いわゆる「社会的入院」を減らすのが目的ですが、
介護療養病床13万床と医療療養病床25万床は
どうなるのでしょうか?

1. 介護療養病床はどうなる?

介護療養病床は2012年度(平成24年度)に廃止し、有料老人ホームや
老人保健施設などの介護施設への転換を促す方針が明らかにされました。

しかし、一口に「転換する」と言っても、現状では課題や疑問が数多く存在します。

まず、何に転換できるのでしょうか?

転換できる選択肢は実際にどれだけあるのでしょうか?

何へ?

どうなる?

1
介護施設へ

特別養護老人ホーム、老人保健施設、有料老人ホーム、ケアハウス等。
社会福祉法人格でしか設置できないものもあります。

2
医療療養病床へ 医療療養病床は存続されますが、患者の医療の必要性によっては
単価引き下げとなる予定です。
3
機能転換へ 例えば回復期リハビリテーション病棟へ転換。
回復期リハビリテーション病棟は、算定対象の状態要件の緩和や、
上限算定180日の緩和が検討されています。

 

2.介護施設に本当に転換できるのでしょうか?

介護施設への転換が促され、施設の転換には助成制度が創設される予定です。

平成18年度中には有料老人ホームの開設が医療法人に解禁される見通しです。

しかし、課題や疑問は残ります。


(1)課題と疑問

1
介護保険そのものはどうなる?

介護保険施設は三位一体改革で都道府県の負担が増加し、介護施設や利用者の増加は地方自治体の負担増加を招きます。

その場合、いわゆる施設整備の総量規制がかかる可能性がないでしょうか?

介護保険の政策である「小規模多機能」や「地域密着」と、どのように整合性を持たせるのでしょうか?

2
勝てる施設になるか?

2005年度(平成18年度)より、有料老人ホームや老人保健施設への転換を促すために、「経過型介護療養型医療施設」という介護保険に新たな報酬類型を設けます。

医師2名、看護職員8:1、介護職員4:1、廊下巾は両側居室1.6mと文字どおり医療施設と介護施設の中間的な施設基準です。

しかし、既存の介護施設に比べて、競争力のある施設に転換できるのでしょうか?



介護施設へ転換したい時、本当に転換できるのでしょうか?


(2)介護保険施設の比較(*1)

介護療養型医療

老人保健施設

特別養護老人ホーム 有料老人ホーム(*2)
(特定施設入所者介護)
施設数
3,717 3,131 5,291  
平均入所定員 34.7人 82.0人 67.6人  
平均在院・在所日数 693日 230日 1,429日  
平均介護度 4.13 3.16 3.57  
受給者1人当たりの費用額 44.2万円/月 33.3万円/月 31.9万円/月  
設備基準(*3) 居室 6.4u/1床 8.0u/人 10.65u/人ユニットケアは13.2u/人 13.0u(個室に限る)
食堂 1.0u/床 2.0u/人 2.0u/人 面積規定なし
機能訓練室 40u/1施設 1.0u/人 1.0u/人 面積規定なし
廊下巾 片廊下1.8m中廊下2.7m 片廊下1.8m中廊下2.7m(ユニットケア緩和あり) 片廊下1.8m中廊下2.7m 片廊下1.8m中廊下2.7m(個室面積により緩和あり)
人員基準(入所者100人当) 医師(常勤)3人
看護職員17人
介護職員17人
介護支援専門員1人
その他(薬剤師、栄養士等)
医師(常勤)1人
看護職員9人
介護職員25人
OT又はPT 1人
介護支援専門員1人
その他
医師(非常勤)1人
看護職員3人
介護職員31人
介護支援専門員1人
その他(生活相談員等)
医師:不要
看護又は介護職員(対要介護者)34人
機能訓練指導員1人
生活相談員1人
*1:平成16年度介護サービス施設事業所調査による。 (平成15年度)但し、受給者1人当たりの費用額は、平成17年10月介護給付費実態調査による。
*2:構成労働省による統計はなし
*3:有料老人ホームの基準は大阪府有料老人ホーム設置運営指針より

 

3.転換型療養病床はどうできるでしょうか?

転換型療養病床は07年度に経過措置の終了、廃止となります。

こちらは待ったなしのスケジュールですが、現状でさえ構造設備基準の一部を
満たしていない施設が、実際に転換可能でしょうか?

建物の構造によっては、かなり不利になる場合が考えられます。

 

4.療養病床はどこへいくのでしょうか?

医療療養病床は存続しますが、医療の必要性、ADLの状況、認知機能障害に基づいて
分類し、包括評価を行うことになるようです。

医療の必要性が低い患者については引き下げとなります。

また職員の配置も、医療の必要性の高い患者数が一定以上の場合は、看護職、
看護補助職とも4:1に引き上げられます。



このような動きは、医療療養病床をも介護施設への転換を促すことにつながっていきます。

38万床の療養病床は、今後どのような地図に塗り替えられるのでしょうか?

2008年度(平成20年度)に創設予定の新高齢者医療制度の成り行きも含め、注視したい
問題です。

 


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