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2008年05月の記事は以下のとおりです。

高齢者住まい講座8回床材はイミテーションの世界

高齢者の住まい講座 第8回  砂山憲一

今年の2月頃、床材メーカーのロンシールの方が来られたので、高齢者の床材について整理してくださいと下記のようなお願いをしました。

高齢者の住まい 床材の検討
目的
特養などの高齢者用の施設と、住宅の間に位置する高齢者を対象とした「新しい住まい」がこれから増えてきます。
この「新しい住まい」は住宅で暮らすより、安全・安心を求めて移り住む方を対象としています。其の特徴は体が何らかの形で不自由になっていることです。
高齢者の体の不自由さを図る尺度としては、介護度が上げられます。特養は介護度3以上を対象としています。したがって特養では自立して生活できないことが前提となっています。
「新しい住まい」は訪問介護などのサービスを利用して生活し、自立を前提としています。しかし、体の不自由さを助けるために、建築的な工夫が要求されます。
ゆう建築設計では、これから増大する高齢者の住まいを実際に設計するに当たって、様々な建築既製品をどのように利用すればよいか検討を進めています。

高齢者の住まいに使われる内装材に関しても整理を進めたいと考えています。

高齢者の住まいの内装材に要求される機能は下記のようになります。

l入居者は健康な方から、要支援、介護度3程度までを想定する。
l車椅子を使われる方もある。

l住宅という要素と掃除をしやすい、清潔という要素をどのように兼ね備えるか。病院や特養では清潔ということが優先されていますが、「新しい住まい」は住宅という要素が大きくあります。したがって雰囲気を考えると、絨毯や木材という選択になるのですが、住宅では毎日掃除をすることが前提となりますので、この掃除が入居者の負担になることも確かです。
l歩行と車椅子という重量の違うものをどのように扱うか。
l高級なところでは床暖房の可能性もある。
l塩ビ系の床材も各種あるが、それぞれの製品の特徴を再度確認する。介護度という切り口で違いがあるか。
l居室内トイレの床材はどのような材料が良いか。介護度が高くなるにつれて、失禁などの粗相をするケースも出てくる。床を汚す可能性が高いため、床材の検討が必要。車椅子対応のトイレにすると、居室に占めるトイレの割合が大きく、居室全体の雰囲気に大きな影響を及ぼす。またドアを開け放しておく場合も多く、見え方も大切になる。

今読んでみますと、なんとも締りのない文章ですが、ロンシールの方はまじめに取り組んで下さっています。数ヶ月ごとに、提案して下さり、現状のロンシール製品と、高齢者の住まいの関連がはっきりしてきました。

其の中で、私は塩ビ系床材を見直しています。塩ビ系床材は病院で多く使われています。特養の様な居住系施設でもよく使われています。それは掃除がしやすく、施設内を清潔に保てるからです。しかし、一般住宅には多くは使われません。脱衣室など、水がかかる一部の部屋だけです。
高齢者の住まいは施設よりも、住宅に近い性格が求められます。とすれば、絨毯、木材、たたみ、高級な所では石張りなどが選択されます。
でも居室内の汚れのことを考えると、塩ビ系床材は飛びぬけています。そこで、はたと気がついたこと。イミテーションも悪くはないのでは、ということです。建築は本物で作られるのがいいという考えから言えば、塩ビで作った木材風の床は許せないのですが、病院や特養ではすでに幅広く使われています。
私も、塩ビの木材より本物の木材がいいと思っているほうですが、ある既存特養を、個室化しユニット化する中で、考えを変えました。それは担当したK君が塩ビで作られた畳を床に使ったのです。

ファイル 27-1.jpg

これが部屋をいい雰囲気にしています。天井の木目もクロスです。

この塩ビ畳はエンボスがかなりきつく入っています。どの程度よごっれてくるか注意深く見ています。

同じように、使ってみて面白いと思ったのはロンシールの絨毯にできるだけ近づこうとした、床材です。なんと塩ビに麻を混ぜているのです。それも表面に麻が出てきています。
かなり見た目は、塩ビを感じさせなくなっています。他のメーカーにも、絨毯をまねた塩ビ床材はありますが、ここまでこだわっていません。
ファイル 27-2.jpg

掃除のしやすさは、車椅子対応のしやすさ、コストを考えたとき、住まいの雰囲気を持つ材料を、できるだけ似せて塩ビで作ろうとする試みは、一つの可能制をひめていると思っています。

まちのなかの特養・ミドリのなかの特養

特養ブログ002

080524
岩崎 直子

これまでの特別養護老人ホームは、まちから離れた郊外(市街化調整区域)に建設されることがよくありました。
敷地を見に行くと、もちろん車でないといけないところだったり、ミドリがいっぱいのところでした。
私は、まちの喧騒から離れて、ミドリのなかで静かな生活を送れるのは幸せだなあと、のんびりしたことを考えていました。
そんな敷地での計画では、窓からミドリが見えるように、外に出て散歩が出来るようにと考えました。

そんな中、ある特養を見学させてもらいました。そちらもミドリの中の特養でした。その時施設長さんが、「本当は、遊んでいる子供をみたり、まちの風景を眺めたり、興味をもてることも廻りに必要だと思う」ということを話されていました。
はっとしました。

私たちはまちで、本や音楽、映画などいろんな刺激を得ます。インターネットでという世界もあるでしょうが、やっぱり偶然出会う楽しみを見つけるにはまちにでます。
特養に入居されるお年寄りも、それまでは買い物にでたりという生活を営んでこられているわけです。

立地は大きな要因ですが、前述の特養ではお出かけの日を作られているとのこと。そうすると、お年寄りの表情が違うそうです。いきいきされるそうです。
いかにこれまでの生活を継続していく工夫をするか。ここにカギがあるように感じました。

昨年の都市計画法の改正で、社会福祉施設でも市街化調整区域での開発(建築)行為に、これまで不要とされていた許可申請が必要となりました。そうなると、これからはまちの中で特養を計画することを考えていかなければなりません。
これからの特養、いままでミドリのなかにあった特養は、まちのなかにどのように帰っていくのか、そして、地域とどう関わっていくのか。建築でもアイディアが出せるポイントです。

特養ブログはじめます。

特養ブログ001

080523
岩崎 直子

特養の設計で思うこと  
                   

私は、ゆう設計でユニット型の特別養護老人ホームの設計を3件担当しました。

はじめて設計した特養は守らなければならない施設基準の中でプランを検討し、建物の外観や、内観デザインに重点を置いていました。

次に担当した特養は、建築設計以外にも事業全体をお手伝いさせてもらうことを通して、建築設計が占める割合が、事業の中で本当に一部であることに気がつきました。

その中で、どういう介護の体制をとるかによって建物の形が変わり、またそれが人の動きを円滑にするものだったり、大きな壁(障害)にもなる可能性を持っていることを改めて気がつきました。

新設した建物で20年、30年とお年寄りを介護されるのです。設計の重みにも気がついた良い機会でした。

そして、今、3件目のユニット型特養をお手伝いできることになりました。

このブログを通して考えてみようと思っているのは、ユニット型の特養で、どうしたら本当にお年寄りの生活をいきいきしたものにできるか、ケアする人たちとの関係をつくっていくことに貢献していけるかということです。

これから少しずつですが、考えたことをまとめていけたらと思います。よろしくお願いします。

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