エントリー

カテゴリー「障害者施設」の検索結果は以下のとおりです。

知的障害の方の住まい第6回 破壊されない扉は作れるか 砂山憲一

 

破壊されない扉は作れるのか  砂山憲一

  

①室内の建具は木製を採用

  建具を作る素材は三種類あります。

 鋼製建具    防火戸などに使用します。

 軽量鋼製建具  医療福祉施設でよくつかわれています。

 木製建具    

 

 知的障害施設では私どもは木製建具を使用します。鋼製建具は素材がスティールですから重量が重く、引き戸には使用しにくく、防火戸などと特殊用途のみに使用します。軽量鋼製建具は医療福祉施設では性能もよく一般的に使われるのですが、蹴られると凹んでしまい、かつ補修が容易ではないため、知的障害施設ではむかないと思っています。

 普通使われる木製建具は蹴ったり、殴ったりの破壊活動には弱く簡単に穴が開きます。この扉の破壊に対して強度を強くすることはそれほど難しいことではありません。私どもでは扉の構成をかえ様々な実験をしてみました。当然強度が高くなれば重たくなりますし、コストも上がります。設置する建物に求められる強度の建具仕様を選ぶことになります。

 


使用する材料をかえて制作

 

 
強さを実験

②引き戸の吊り金物が難しい

 

 破壊に対して難しいのは引き戸に使用する吊り金物です。引き戸が壊れるのは戸を強く押したり、持ち上げたりする想定されていない動きによります。また吊り金物の種類は、扉の重量に対して違いがあるだけで、重い扉用の頑丈な吊り金物でも想定されない方向の力に対しては強くはありません。

 そのため、破壊行為が想定される個所の吊り引き戸には、戸の下部にガイドレールを付け、床から金物を出して、強度のある振れ止めを設置します。

  

吊り金物の種類

③どのレベルの建具を設置するか

 建具に対しての破壊行為が入居者全員にあるわけではなく、一人の入居者だけの場合や、状況が悪くなった時に始めた破壊悔いが出る場合など多様です。

 私どもの設計した例でも、強度行動障害の方が新築されたユニットに住みだしても特に破壊行為は起こらなかったのですが、新しい方が入られて、破壊行為が始まったこともあります。

また障害児の住まいで、一人の方がすべてのドアを破壊したこともあります。

 このため、知的障害の方の住まいは建具や壁を一番厳しい状況を想定してつくることが多いのですが、私はある程度壊れても直せばよいという発想で作る建物もあってもよいのではと思っています。

 

④ソフトクローザー

  私どもの設計では引き戸にはソフトクローザーを付けるのを標準としています。これは主に戸がバンとしまったり空いたりするのを防ぐためのものですが、指詰めの防止にもなります。

 ソフトクローザーが引き戸に使われだしたのは最近ことであり、入居者の方は慣れていないため、なかなか開かないとか閉まらないと思い、力いっぱい開け閉めをする場合があります。そのためにソフトクローザーが壊れてしますことが時々起きています。その場合は、ソフトクローザーを取りかえるのですが、壊す方は何度もこわすのでソフトクローザーは取り外し、指詰めはゴムで対応します。

 このように、使用する方の状況によって、扉の仕様を変えるのが良いのですが、新築では入居者される方の状況が分からない場合もあり、また入居後の状況の変化に対応できる可変可能のドアはありませんので、仕様の選択は毎回悩むところです。

 

知的障害の方の住まい第5回 家具 ソファー 砂山憲一

知的障害の方の住まい第5回 家具 ソファー 砂山憲一

 

 

家具

 

 家具の役割が変化する

 

椅子、テーブル、ソファー、ベッドなど住まいにおける家具の役割は大きくなっています。畳の部屋がメインの和式の生活では家具は多くありません。部屋のようとも限定されていず、昼は食事や団らんに使い、夜は布団を敷いて寝室として使うことが普通に行われていました。最近の住宅ではそのように部屋を使うことは少なく、部屋の用途を決めてそれに合う室内の構成や家具を置く場合がほとんどです。

 

 

部屋の用途を決めることは、そこで使われる家具も用途が決まっています。食事用のテーブルとイスは、標準的なテーブルの高さとイスの座面高さが決まっています。ゆったり座るソファーも、標準的な人の大きさや姿勢を想定し形を決めています。

 

 

高齢者用の家具を探す

 

高齢者施設で使用する家具は、5年ほど前までは特別のものはありませんでした。私は一般に市販されている家具から高齢者に使える家具を選んで採用していました。手すりの位置や大きさ、使用者が座ったとき介護者が後ろから椅子を押しやすいかどうか、など高齢者に特有の機能を備えているものを探しました。また長時間姿勢を保てない人も多く、ソファーでは横の手すりが大きく、後ろにも横にももたれられるものを探しました。

 

高齢者の数が増え、商品の需要が多くなるにつれて、各メーカーも高齢者ようの家具を開発し、最近では随分よいものが出ています。

 

 

 

知的障害者の家具は作る

 

知的障害者の住まいを設計するときに、高齢者の住まいの時と同じようにどのような家具が良いのかと考えました。床に座ったり寝転んだり、ソファーにも様々な形で座っている使い方を見て、いすやソファーは座るものだという概念をやめ、そこに暮らす人たちの座ったり立ったりする姿勢を補助する家具を作ろうと考えました。既存の家具ではとても対応できなく、作るし家内と思ったのです。

 

家具の大手メーカーである株式会社アイデックの小池さんに声をかけ協力を要請しました。

 

そのとき私が伝えた作りたい家具の条件です。

 

    きちんと座ることにこだわらず、どのような使い方、座り方もできるソファー

 

    乱暴に飛び跳ねたりしても壊れにくい強度と、安全な柔らかさを兼ね備えた家具

 

    汚れや破れの補修をしやすく、コストのかからない家具

 

 

 

この条件を満たし、全体のコストも別注家具の高いものではなく、市販家具程度で制作できるものをアイデックはクリアーしてくれました。

 

 
日中過ごす場所のソファー
 
廊下の突き当りのスペース

 
デイサービスの通路

 
児童の遊ぶ場所

 

 

 

 

 

 

 

 

 

専門的になりますが、アイデックの商品説明からの抜粋です。

 

    ソファの構造は一般的な硬い木枠構成にしていますが、構造材は厚い材を多めに入れ強度を高めています。表面から木の硬さを感じさせないよう通常より厚めにウレタンを入れ安全性と心地良さに配慮いたしました。

 

    通常の使い方(座に腰掛ける)は勿論のこと、床に座りソファにもたれたり、背や肘に腰掛けることも出来るので、自然なコミュニケーションをとることができます。

 

背・肘の厚みは200㎜あります。座ることと合わせて、逆に距離をおく(プライバシー)ことも考慮しました。

 

    廊下ベンチ及びソファは、汚れや痛みやすい座・肘部を本体から外せるように製作することで部分修理が可能です。これにより修理コストを抑えます

 

    座と肘の間や座奥と背との間に手を入れることも考慮し、タッカー針やビスは出来るだけ届かない位置に打つようにしています。

 

 

 

使用者の特性に合わせた家具を作る

 

レストランやホテルではそのお店のオリジナリティーとして別注することはありますが、医療や福祉施設では別注家具を使用することはほとんどありません。知的障害者の特性に合わせた家具は市販品ではありません。もちろん多くの知的障害の方は一般の家具を使用できますからそこから選ぶのでよいのですが、体や心の特性にあわせた家具があればそれを使ってみるので良いと私は思っています。

 

 

 

知的障害の方の住まい第4回 居室① 水で洗える部屋 砂山憲一

知的障害の方の住まい第4回 居室① 水で洗える部屋 砂山憲一

 

 

個室 ① 水で洗える部屋

 

知的障害者の方で体の状況によって、弁を漏らす方がおられます。居室内で失便があれば支援者がふき取り洗浄します。また体や衣服についた弁はシャワー装置のあるトイレへ移動して洗う場合が多くあります。

 便も軟便が多く服の間から床に漏れる場合もあります。この便をうまく処理できれば、室内の清潔さや支援員さんの労力を軽減できるのですが、多くの施設の方は水が流せる部屋は家としてふさわしくないという理由で、手作業で頑張ってきれいにする方法を選択されています。

  私は、部屋の雰囲気を損なわないで便の処理ができる方法があれば、手作業より清潔で支援員さんに負担のかからないことになると思い、様々な内装材や失便処理方法を検討しました。

 

 

  水が流せる居室

 

 

  一般の居室

 

この二つの写真を見比べてください。片方は水を流せるようにした部屋です。床材には耐水性があり、次亜塩素酸にも耐えられる塩ビ系床材を選んでいます。見た目にも、肌触りも一般の塩ビ系床材と全く変わりません。

 もう一方は床材にコルクタイルを使用しています。水を流せ津部屋の塩ビ系床材は木目模様です。肌触りは違いますが、水を流す部屋という印象は全くありません。

 

一般の部屋の壁はクロスやペンキが多いのですが、この部屋では水をかけても大丈夫なボードを使用しています。ペンキで仕上げた部屋と全く同じです。

  

水は床に取り付けた床点検口を開けると、便を流す装置が取り付けられています。これはゆう設計で工夫し、トイレに使用している失便処理装置を改良したものです。また水は壁に埋め込まれ蓋をされた水洗から出します。普段は蓋で隠されています。

 換気扇は通常の能力より強くしていまして、水洗後部屋の喚起を行い早く乾燥できるようにしています。

  

トイレ内には失便処理装置を設置する場合が多いんのですが、失便の可能性があれば、居室にも設置することを検討してください。

 

知的障害の方の住まい第3回 内装材 床材 ③ 砂山憲一

知的障害の方の住まい第3回 内装材 床材 ③ 砂山憲一

 

2 木製床材 カーペット 畳

 住まいの床材に塩ビ系の床材を使用する主な理由は、清掃性と感触の温かさです。塩ビ系以外の床材を使用する場合も、この二点の性能がどの程度必要か検討します。

フローリングなどの木製品やカーペットの使用を検討するのは、それらの製品が塩ビ系床材に比べて、あったかい雰囲気を作り出せると感じるからでしょう。塩ビ系床材は、木材やカーペットに見える製品を発売していますが、やはり本物を使いたいと考えるケースも多くあります。

 ●木製床材

 ・フローリング

写真はグループホームの居室、食堂、廊下などトイレ、浴室以外は無垢材のフローリングを使用した例です。


 


 

フローリングは医療施設などでは目地にたまるゴミが掃除しにくいため、使用しないのですが、高齢者施設では問題なく使用しています。

このフローリングを使用したグループホームでは、使い始めると入居者のご家族がご自分で畳を引かれて、どこに座ってもよい部屋に改修された例もあります。このように居室では部屋の雰囲気や生活スタイルに合わせた床材の選択と清掃性などの機能を見比べながら床材を選んでいくことになります。

 

・塗装コルクタイル

 

木製床材は季節によっては冷たい感じがしますので、先の例のようにフローリングの上に畳を引いたり、カーペットを引いたりして入居者の生活スタイルに合わせたのですが、床材の選択そのものをもう少し感触が温かい木製床材がないか探して採用したのが、塗装コルクタイルです。


 

コルクタイルはコルクを砕いて板状に成形した製品です。空気層が多く断熱効果もあり、温かい感触を持つ製品です。本来のコルクタイルは表面に小さな気泡の穴があり微小なごみがたまるなどの欠点があったのですが、最近の製品は表面にウレタンなどの塗装をおこない、滑りにくく掃除もしやすいものが発売されています。知的障害者の住まいでは、失禁や、水遊びで床に水がまかれることがあり、コルクタイルそのままでは床材として採用しにくいものですが、コルク地にウレタン樹脂を塗布した製品は問題がありませんので、採用しました。

●カーペット

カーペットなどのじゅうたん類は、これまでの計画ではあまり採用はしていません。それはやはり清掃性の問題です。

その温かい感触とじかに座れる特性から、障害児の住まいの室内遊び場に採用しています。


 

 

この入所施設では、廊下を単なる通路としてもらえるのではなく、日常の生活の場としてとらえ、遊んだり本をよんだりテレビを見る場所も部屋に区切らず連続する空間として設計しています。子供が家の中で自由に遊び生活することと同じです。

 

その空間のなかの中心となる遊び空間の床にカーペットを引いています。写真でみるカーペットの横の床は先に述べた塗装コルクタイルです。

知的障害の方の住まい第2回 内装材 床材 ②

 

  私たちが考え採用した床材

 

砂山憲一

  

1塩ビ系床材

 

多くの住まいや施設に採用しています。この床材の技術進歩と使用する箇所へ合わせた商品開発は目を見張るものがあります。

 

東リ株式会社の医療福祉向けのカタログで現状を紹介します。私はこの10年様々な建築製品メーカーに医療と福祉で建築に求めるものは違うので、医療福祉とひとくくりのカタログはやめるよう伝えてきました。高齢者施設は基本住まいであり、建物に求めるものは病院などの医療施設と違うからです。東リのカタログはこのような内装材メーカーとしては初めて、カタログ内の推奨床材を医療施設と高齢者施設で分けています。

 

カタログでは福祉施設の諸室に必要な機能として下記の項目が挙げられています。

 

「意匠性」「耐摩耗性」「耐動荷重性」「抗菌性」「耐薬品性」「防汚性」「防滑性」「衝撃吸収性」「接触温熱性」「発音低減性」「電気特性」

 

これらの技術基準で知的障害者の住まいに関係すると思われる項目はいくつかあります。

 

・意匠性

 

塩ビ系床材はビニール系床材以外に見える工夫が様々になされ、見た目には木材、石、畳などと見分けのつかないものも出ています。本物素材を使うこだわりがなければ、塩ビ系床材でほぼどのような雰囲気の空間も作れるようになりました。

 

・防滑性

 

水を床にまくなどの行動がありますから、滑らない材料が望ましい個所があります。塩ビ系床材は防滑性に関しては木床と同程度で、タイルカーペットより劣ります。洗面所や居室などで手洗いのある所は、水を撒く行為が行われるときもありますから、防滑性のチェックが必要です。

 

トイレ用塩ビ床材が発売されています。各メーカーとも消臭機能と防滑機能を兼ね備えた製品を開発していますから、必要箇所にはこのような製品を使います。

 

・接触温熱性

 

直接床に座り込む利用者もいますので、この接触温熱性は知的障害者の住まいを選ぶ場合の判断要素となります。塩ビ系床材は畳、コルクタイル、木床に比べて大きく劣ります。そのため塩ビ系床材の下に発泡層を引くと改善されます。

 

・防水性

 

最近の住まいや施設のトイレはほぼ床は乾式工法となっています。床材としては塩ビ系床材を使用するのですが、特に失便対策で水洗いする部屋には防水性が要求されます。この防水性と防滑性を兼ね備えた塩ビ系製品もありますので、必要な部屋にはこのような機能の製品を選択します。

  

・特殊製品

 

塩ビ系床材は部屋の用途に合わせて開発が進んでいます。

 

●浴室用床材

 

浴室は一般的にタイルを使用しますが、浴室専用の塩ビ系床材もありますので、最近は知的種外施設でも使用することが増えています。この製品の持っている機能です。

 

「防滑性」素足で触れてもヒヤッとしない「接触温熱性」クッション性のある発泡しーとで転倒時の衝撃を和らげる「衝撃吸収性」シート表面に水玉ができにくく表面の乾燥を早める「水はけ性」清掃時に使用するカビ除去剤やパイプ洗浄剤にも変色しない「清掃性」

 この製品はこれから多くの建物で使用されると思います。

 

 

●トイレ用床材

 

トイレ用塩ビ系床材も専用製品が発売され、私どもの設計ではトイレではほぼ100%この製品を使用しています。

 

特に「消臭機能」尿による変色を防ぐ「耐尿汚染性」トイレ用洗剤による変色を防ぐ「耐薬品性」の良いものを使用します。

 

知的障害の方の住まい第1回 内装材 床材 ①

内装材 床材

 

砂山憲一

 

知的障害者の住まいの内装材に求められる機能は何でしょうか。「住まい」ですから、一般の住宅に求められる機能が基本となります。この基本機能に、知的障害者の方に必要な機能を加えていくこととなります。

 

高齢者の住まいを例にとります。高齢者の住まいはこの10年の間に大きく変化してきました。10年前には医療施設と福祉施設の内装材も同じものが使われていましたが、高齢者の施設の基本は住まいだと考え、私どもは医療施設とは違う発想で建物を作ってきました。床材を例にとりますと、医療施設は掃除がしやすく清潔な状況で住めることを前提としています。したがって、木材を床に使用することは原則ありません。ところが普通の住宅では木材やカーペットが好んで使用されています。

 

一般の住まいに比べて高齢者の住まいの求められている機能は「体が不自由になっていくことへの対応」です。床材では車いすの走行性や、高齢者が滑りにくいことなどです。しかしこの「家庭的」であってかつ「体の不自由さに対応」する床材はありませんでした。カーペットを使う場合は一番走行性の良いものを探してつかいましたが、十分ではありませんでした。ところが店舗用に開発されたカーペットが耐摩耗性を追求した製品で車いすの走行性がよいものでした。

 

このように住み手に必要な機能を備えた内装材を探して使っていく姿勢が住まいを設計するときには必要です。

 

 

 

    住まいで使われる床材

 

知的障害の方の住まいの床材に求められる機能はやはり「家庭を感じる」ことです。家庭で使われる床材はいろいろあります。

 

●木製床材

 

家庭でよく使われ、車いすにも対応できます。医療施設では目地のゴミなど掃除のしにくさが問題となり、使われていません。

 

●塩ビ系床材

 

一般家庭でも、トイレなどの床材に使われています。掃除がしやすく、車椅子にも対応できるため、医療施設の床材として多く使われています。特養などの福祉施設も、この塩ビ系床材が主流を占めています。最近の製品は木材、石、タイル、カーペットなどほかの素材と見間違う仕上げ面を持ったものもあります。

 

●じゅうたん、カーペット

 

敷き詰めて使用する場合と、木製の床のうえに一部引いて使用する場合があります。日本のように夏と冬の気温が違いすぎるところでは、一年中を通じての使用は快適さに問題があります。

 

●畳

 

忘れていけないのは、日本固有の床材「畳」です。畳の良い点はそこに寝ころべることです。また感覚的にほかの床材は埃などがあり、汚い感じがしますが、畳は拭き掃除され、かつ廊下などの床レベルより少し上がり、寝転ぶことに抵抗感はありません。このように良い点はあるのですが、水などがこぼれることには弱く、また車いす対応はできません。

 ではこれらの床材を知的障害者の住まいに使うときに何か問題はあるのでしょか。知的障害者のそれぞれのの特性にあう床材の選択が必要なのでしょか。

  

    住まいは個人用にはできていない

 

・個人用の建物と多くの人が使う建物

 

ここで建築の特殊性が出ます。建築はだれのために作るのか、その人用に作れるのかということです。

私たち設計者にとって、マンションと個人用住宅は全く違います。それはマンションはそこに住む人を特定できませんので、標準的に人物像や身体的特徴を想定してつくります。一方個人住宅は、そこに住む人が決まっていますから、その人に合わせた住まいを設計します。その人の住み方によって間取りは変わってきます。

 

 ・住まいに使われる機器や器具は個人用にできていない

 

個人用の住まいはそこに住む人に合わせて設計しますが、そこで使われる様々な器具は個人用ではありません。トイレの便器は便器の高さは一定です。子供用はありますが、家庭ではトイレは皆で使いますから、子供も大人用を使います。洗面の高さも一定です。高齢者用に開発された製品は高さをかえれるものがあります。

 

これは高齢者住宅が市場として大きくなってきたので開発されたのです。住まいでつかわれる製品はその販売量が多くなければ、製品として生産されません。

 

・知的障害者の住まいはどうするのか

 高齢者の住まいでは6年前にある介護雑誌に私は「高齢者住宅に使える製品 使えない製品」という連載を一年にわたって行ったことがあります。それは当時高齢者用という建築製品が全くなかったから、一般に発売されている製品で高齢者住宅に使えるものを探した結果を書いたものです。

 同じことを今、知的障害の方の住まいで考えています。

失便処理方法の改善

 

失便処理の改善

 

砂山憲一

 

障がい者施設の入居者で排泄の失敗をされた時のために、失便の処理をどうするか検討をし、トイレに失便処理装置を設置してきました。

  

福利山学園 第二翆光園での設置例 2009

 http://www.eusekkei.co.jp/service/mental_retardation/fukugaku/visual_support/index.html

2014年にトイレ改修を行うこととなり、新たな失便処理装置を設置することとなり、さらに改良を加えました。竹之内が担当しました。

   

  1. 失便処理装置の改良 

     今回のトイレ改修は2階部分の改修工事となるのですが、以前設置した失便処理装置そのままでは既存の2階の床の高さ等の制限により設置できないこともあり、いくつかの改良を加え設置することになりました

  2. 失便処理装置の改良点

 

    • 既存改修する面積を減らすため、出来るだけ装置の平らな面を減らした。

    • 汚物を確実に流すために、フラッシュバルブの水が効率よく流れるように失便処理装置面をおわん型に変更した。

    • 既存改修工事のため既存防水との取り合いを考慮し失便処理装置を2重構造にした。

       

             
        P1120037   P1120029

       

       

       3.失便処理装置の水流の実験による確認

      汚物を確実に流すために、フラッシュバルブの水が効率よく流れるように失便処理装置面をおわん型に変更しました。実際におわん型の形状で汚物(御みそで代用)が流れるかを実寸大の装置を作成し流水実験を行い確認しました。 

       

  1.            
      P1110742   P1110754   P1110755

     

     

     

     

     

     

     

     

     

 

 

 

強度行動障害 ワークスペースの設計

 

強度行動障害 ワークスペースの設計

 砂山憲一

 福知山学園 むとべ翠光園が竣工して1年が経過しました。

 

むとべ光園の設計にあたっては、福知山学園の方と膨大な量の打ち合わせを重ねました。

 設計において議論し試みたことを紹介します。

  むとべ光園は障がい児・者併設型支援施設です。あわせて、福知山市障がい児・者地域家庭相談支援センター「てくてく」、福知山市児童発達支援センター「すきっぷ」、障がい者デイサービス「むとべ」を併設しています。

  障がい者支援施設の中で強度行動障がいの方のために特別支援ユニット「あい」定員10名を持ちます。この特別支援ユニットは成人入所ユニットとは居住エリア、ワークエリアとも全く区別され独立しています。

 居住エリアとワークエリアは居住エリアの玄関からいったん外部のテラスに出て、ワークエリアに入ります。このワークエリアの構成はこれまで光園の職員さんたちが工夫してこられたことが基本となりました。

 

福知山学園の既存の施設のワークススペースは、職員さんの手作りです。利用者の方が落ち着く環境は個々によって違います。ベニヤ板でそれぞれの方が落ち着く空間を作っています。今回新たにワークスペースに作るに当たり、問題となったのは、利用する方が未定で特性がわからない段階で、落ち着く環境を作れるのだろうかということです。

ある程度囲うことが必要なことははっきりしていました。使用開始後の様々な変化に対応できるよう固定の壁はやめ、家具でつくることとしました。

 写真でわかるように、それぞれの色を変え、自分の場所が認識しやすくし、また休めるソファーも移動式として作りました。

 

 

 

 

 

 

 

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ
  • ページ
  • 1

ユーティリティ

2017年08月

- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ページ

  • ページが登録されていません。

ユーザー

新着画像

Feed