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カテゴリー「高齢者住宅」の検索結果は以下のとおりです。

高齢者施設リスクマネジメント研究会

リスクマネジメント研究会をゆう建築設計で開催しました。

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日時:平成22年10月15日
場所:ゆう建築設計 会議室
出席者:高齢者住宅コンサルタント  濱田孝一
    (株)レガート リスクコンサルタント 谷田琴実
    積水ホームテクノ株式会社  福森健
    酒井医療株式会社   伊藤拓也
    株式会社メトス    瀬尾卓志 齋藤芳徳
    株式会社ミクニ    岡田正
    株式会社オリバー   山田英志
    株式会社ゆう建築設計 砂山憲一 相本正浩 岩崎直子 

高齢者施設における事故やその防止策へようやく目が行くようになりました。裁判になる例も増えてきています。
そのような事故を防ぐには建築側からの対応も今後真剣に検討されなければいけません。
高齢者施設の設計にかかわるメーカーの協力を得て、安全という観点からどのような検討や対応がとられているか検証したく、リスクマネジメント研究会を立ち上げました。

第一回目は入浴や脱衣に係る検討を行いました。

各メーカーの製品がどのような具体的安全対策が講じられているか発表が行われました。具体的な事故例に建築側がどのような対応策を講じなければいけないか検討をおこないました。

第12回高齢者住まい講座  椅子の生活を続ける

第12回高齢者住まい講座  椅子の生活を続ける

設計者からの一言ブログの更新が止まっています。高齢者住まい講座に関しては、今年の3月から「シニアビジネスマーケット」という雑誌に「使える製品」「使えない製品」という連載を行っていますので、雑誌を買っていただくか、少しおくれますが、このホームページでも公開をしています。

なお「介護ビジョン」といいう雑誌に9月号から、「高齢者住宅の設計VE」という連載を1年間しますので、読んでください。

団塊の世代が高齢者になっていき、その方たちはどのような生活をするだろうかと考えるときがあります。
高齢者というと、要介護度とか車椅子とかいう言葉を連想し、その方がそれまで生活してこられた住み方とか生活の仕方はほぼ無視されているといってもよいでしょう。
団塊の世代は、いす式の生活を始めた世代でもあります。卓袱台から食卓テーブルに移行し、椅子に座って本を読み、テレビを見、ぼんやりとすごす生活を始めた世代です。
特に、値段が高くても座りごこちのよい椅子を選択した人たちは、椅子に座る心地よさとともに人生を送ってきたといっても過言ではありません。
そのような方にとって、いま建てられている高齢者住宅はこれまでの生活と程遠いものがあります。

私は、高齢者になって体が不自由になっても座り続けることができる椅子はないのか、この一年様々な機会に椅子に座ってきました。

日本の椅子の世界はこの10年様変わりしていまう。
それは椅子が消耗品になったことです。モダンファーニチャーは短命だといわれています。カッシーナは椅子のメンテナンスを引き受けていないそうですし、ニトリは椅子は3年で捨ててくださいと言っているようです。私自身も家の食卓の椅子や会社の椅子もすべてニトリなどの製品を通販で買っていまう。座ってみてという買い方自体が、過去のものになりつつあるのかもしれません。
でも、おじいさんの代やお父さんの代に使っていた椅子が居間に並んでいるような生活も捨てがたいものがあります。日本では無理ですが、ヨーロッパではよく見る光景です。

車いすを使うようになったとき、座るという文化は一遍に貧相なものになっていきます。体が不自由になった方の椅子というと、立ち上がりやすいように、座が持ち上がるといいう発想になり、そのような製品も売られています。

でも何かないだろうかと探しているうちに良いものにぶつかりました。

それは「アルフレックス」の「ガーレ」という椅子シリーズの「一人掛けタイプ アームソファ」です。

http://product.arflex.co.jp/archives/gale.html?cat=sofa

この椅子は、座ると椅子が体を包み込んでくれるような感覚になります。年をとると体も硬くなり、特に体に不自由な部分ができてくると、椅子生活がそれほど快適でなくなる時があります。これは体を椅子に合わせることがだんだん苦痛になるからでしょう。ところがこのガーレは椅子のほうが体に合わせてくれる感じです。体をひねったままで座ってもそれに椅子が合わせてくれるのです。
妻もこの椅子を、他の椅子は座るのを拒否された感じだったが、この椅子は迎えてくれたと言いました。

このように感じられる理由は、その座と背もたれの材質にあります。
アルフレックスのカタログによると「ガーレ」の材質は下記のようになっています。
ベース:MDF、合板、ウレタン
アーム、シートバック:モールドウレタンフォーム
クッション:ダウン、フェザー、ポリエステル繊維棉

アルフレックスの他のソファーと比較しますと
シート:フェザー、ウレタン
となっています。

アルフレックスの方の説明では、この「ガーレ」というソファーはアルフレックス ジャパンが何かの記念で、費用を度外視して座りやすいソファーを作りたいという社長の考えで開発されたもので、特に人の体に当たる部分の素材に力を入れているということでした。たぶんダウンの存在が大きいのだと思います。ショールームではダウンとウレタンチップの混合と聞いたのですが、いずれにしろこのダウンの力だと思います。

値段を度外視したので、ということで433,650の価格ですが、2,3年で捨てるのではなく、このような椅子はメンテをして、30年、40年使うのですから、そういう意味では高くないかもしれません。

と言いつつも私もまだ手が出ていませんので、長時間座り続けてどのような感想になるかはわかりません。

高齢者の住宅を設計する場合、もっとそこでの生活を豊かに想像しながら行わなければいけません。

そのことと、コストをどのように扱っていくかを書くのが、最小に書いた「高齢者住宅の設計VE]です。

第11回高齢者住まい講座  トイレに可変は必要か

第11回高齢者住まい講座    砂山憲一

高齢者のトイレは「可変」になるか

高齢者の住まい、有料老人ホーム、高齢者専用賃貸、老人用マンションなどの共同住宅において、そこに住まわれるかたは、体の状態が不自由な型が多いし、また其の不自由さが徐々に変化していくことは、この講座でも何度も説明をしています。
高齢者の方にとって、トイレと浴室は動作にもっとも気をつけなければいけない場所です。
今回はトイレに「可変」が可能か検討します。

水周りのバリアフリーについて、よく研究され商品に生かしているメーカーにTOTOがあります。特にトイレ周りの研究は参考になることが多くあります。その内容は「バリアフリーブック」としてまとめられ、ネット上でも見ることができます。
http://www.com-et.com/webcatalog/goods.htm

「バリアフリーブック」は3種類にわかれます。
・住まいの水まわり編
・高齢者施設の水まわり編
・パブリックトイレ編

カタログよりどこまでコピーしてよいのかわかりませんので、カタログをひろげてこの文章を読んでください。

この講座で扱っている高齢者の住まいは、厳密に言いますとこの3種類のカタログの対象外となります。そもそも、日本で現在盛んに計画され、建てられている高齢者のすまいは、このカタログで言う「住まい」や「施設」ではなく、この中間に属する「新しい住まい」なのです。この考え方は、2003年に発表された「2015年の高齢者介護-高齢者の尊厳を支えるケアの確立-」で提言されました。そこでは「施設+自宅」から「施設+新しい住まい+自宅」を実現しようとしています。住み慣れた地域にできるだけ暮らし続けること、それを支える仕組みづくりが重要です。詳しくは私が昨年書いた本「高齢者の住まい事業  企画の手引き」を読んでください。
「新しい住まい」を作る時、これまでの施設や自宅ではなく、またマンションでもない、高齢者の住まいの内容を検討しているのがこの講座です。
さてトイレです。
この3冊のカタログを見ながら、今日本で認識されている高齢者のトイレについて再検証します。

1 トイレに「可変」は必要か。
まず高齢者の住まいの問題点をセミナーの資料に基づき説明します。

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これまでは高齢者は、家族の介護を受けて自宅でくらし、どうしても介護が不可能になった方が、施設に移るというパターンでしたが、高齢者の住まいでは、介護度が高くなっても其の住まいに住み続けることを基本とします。したがって、介護度の高い方への対応を真剣に考えると同時に、介護度の変化に対応することも重要です。

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そのために、建築・設備・介護が一体となった「可変性」「汎用性」「安定性」のあるシステムの構築が必要です。

2 高齢者のトイレ  TOTOのカタログを読み込む。

トイレは介護度の変化にどのように対応するのでしょうか。

TOTOの考え方 カタログより
TOTOでは身体能力を5項目に分けます。
5項目マーク
・自立歩行
・手すり・杖で歩行
・車椅子使用者(一部介助)
・車椅子使用者(全介助)
・車椅子使用者(自立)

車椅子全介助が要介護度3といわれていますから、TOTOの製品は3程度までを対象としているといえます。
この5段階に対応してトイレ、浴室、洗面、キッチンにおいてそれぞれ製品が開発されているわけではありません。
トイレでは、便器そのものが5項目マークがつけられるのではありません。
「住宅のトイレ」 住まいの水まわり編
便器や手すりに5項目マークがつくのではなく、モデルプランに5項目マークがつけられています。
・歩ける方のプラン          自立歩行、手すり・杖歩行
・車椅子で一部介助の方のプラン    自立歩行、手すり・杖歩行、車椅子一部介助
・車椅子で全介助の方のプラン     自立歩行、手すり・杖歩行、車椅子一部介助、車椅子全介助
・車椅子自走の方           自立歩行、手すり・杖歩行、車椅子一部介助、車椅子全介助、車椅子自走

「施設のトイレ」  高齢者施設の水まわり編
このカタログでは、トイレには5項目マークは使われていません。プラン例は5種類掲載されていますが、其の切り口は体の状態とは違うものです。
・プラン1「一般家庭で使い慣れたタンク式便器を採用したプラン」
・プラン2「便器に異物が詰まった場合にも、比較的簡単に取り除ける便器を採用したプラン」
・プラン3「便器に異物が詰まった場合にも、比較的簡単に取り除ける便器を採用したプラン」
・プラン4「男性利用者にも配慮した小便器付プラン。小便器での排尿を好む方もいる」
・プラン5「排泄しやすい前傾姿勢をとりやすくしたプラン」
便器や手すりなどトイレ関連商品には、別の提案(キーワード)が提案されています。高齢者の行動・身体機能特性を介護度よりより細かく分析し、対応商品を提案しています。
・身体機能
・生理機能
・感覚機能
・精神機能
身体機能は商品選びのキーワードとして、5種類提示されます。
・視覚配慮
・移動
・操作性
・立ち座り
・安全性
ただしこれもプランに5項目をつけたのと同じ発想で、便器だけの写真には「操作性」だけのマークですが、便器と手すりがパックとなった商品に「操作性」「立ち座り」のマークがつきます。多分これは手すりがあるので、「立ち座り」が楽という意味だと思います。

今回私のテーマ、「介護度の変化」に対応するトイレに直接参考になる記述はありませんが、もう少し詳細にカタログを読み取っていきます。

3 トイレ可変への可能性

「バリアフリーブック 住まいの水まわり編」より
このカタログのモデルプランでは、5項目マークすべての方に対応できるようにトイレを作るには、車椅子自走用トイレを作ることになります。
ここで示された4種類のプランの違いは下記のとおりです。
トイレ室の大きさ・便器の種類・金額の順です。

歩ける方  800×1400   CS60B 541,050円
一部介助  1100×1400   CS260B 593,400円
全介助   1350×1400   CS60B  492,400円
自走    1650×1650   CS30B  781,700円

・トイレの部屋の大きさは、当然車椅子自走が大きくなります。高齢者の住まいにどの大きさのトイレを作るのか大きな問題です。一部介助と自走では部屋の面積は1.18㎡違います。100室の高齢者住宅では118㎡違うことになります。25㎡の居室では3室取れる大きさです。工事費とすれば2800万円も違ってきます。介助の度合いによって、部屋の大きさを変えることは不可能です。やはり大きなトイレを作っておくしかないのでしょうか。
・便器の種類の違い。「CS60」と「「CS260」の違いは大きなものではないと思いますが、「CS30」は車椅子対応便器で高さがちがいます。これは其のつど取替えが必要となるのでしょうか。使う人の体の大きさもそれぞれ違うのですから、この便器の高さの問題も、再度検討してほしい項目です。
・便器の取替えに関しては、このカタログを見ているうちに良いものを発見しました。リモデル対応ということで、排水心可変対応便器が発売されています。これを使えば、便器の可変対応が必要であれば、可能となります。

4 まとめ
半日、カタログを眺めていました。トイレには浴室で考えたような可変は必要か、結論は出ませんでした。でもローコストで高齢者の住宅を提供するためには、どこか発想を変えないといけないのかも知れません。

8月6日に、TOTO UD研究所のプロの方の意見を聞けることになりました。
「可変」をキーワードにいろいろ聞いてきます。

 

第10回高齢者住まい講座 「可変」対応の浴室

第10回 高齢者住まい講座   砂山憲一

可変対応浴室の可能性

7月10日に「医療法人向けの高齢者住まい講座」を大阪で開催しました。
100人近いかたが参加され、好評でした。このセミナーでは、共同住宅の形式を取る高齢者の住まいは、建築も介護方式も「可変」であることが大切であると説明しています。
高齢者の住まいは、体の不自由な方、又は不自由ななっていく方を対象としています。
これまでは、体の不自由な度合いに対しては、ある程度対応しようという動きはありましたが、不自由さが変化していくことに、どのように対応してよいか、適切な提案はほとんどされていません。
この体の不自由さの変化には、建築だけでは対応できず、介護の仕方と、それをカバーするコストが一体に検討され、はじめて使えるシステムになると考えています。

介護、建築の「可変システム」は10月3日の東京セミナーで再度グレードアップした内容を披露しますが、ここでは浴室の可変について、大阪講演で使用した資料を基に説明します。(資料は拡大してご覧ください。)

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介護度の変化は、個別の方の介護度の変化と、入居者全体の介護度割合の変化の二通りを考えなければいけません。今回の提案では、各居室には浴室を設けていません。ワンフロアー2ユニット、1システムとして、約30人を1グループとして、浴室の提案をしています。

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高齢者の住まいは、コストが重要です。そのために、不自由な体の方を対象としているからと特注品を選択するのではなく、大量に作れれている市販品から使えるものを選んでいます。

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ここで採用しているのは浴槽のみを交換できるシステムです。リースを利用することによって、イニシャルコストも抑えられますし、必要な機能の浴槽に取り替えることが実現しやすくなっています。

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このプランでは、30人のユニットに対して、入浴設備を設けていますが、現在検討しているのは、各居室にユニットバスを設置する方法です。
可変を可能とするには、浴槽が取り変え可能なユニットバスを、現状の2000×2000より小さな、1600×1600で実現しなければいけません。
もしこの大きさで、パンジーなどへの浴槽の入れ替えが可能となれば、各居室へ可変浴室を実現することができます。
またこの浴槽が、介護の手間を下げることになれば、より採用する辞令も増えてくるはずです。

高齢者の住まい講座第9回 黒澤隆 住宅の逆説に学ぶ

高齢者の住まい講座 第9回 黒澤隆に学ぶ

砂山憲一

黒澤隆といって、すぐわかる方は50歳代以上の建築を勉強された方です。
「住宅の逆説 あるいは技術思想としての居住」というなんともいえない魅力的なタイトルの本を覚えている方も多いでしょう。しかも出版社が「レオナルドの飛行機出版会」です。
昭和51年に「住宅の逆説 生活編」が出版され、昭和54年に「住宅の逆説  匠編」が出版されています。今から30年ほど前です。

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私はこの2冊に大いに触発されました。日本とヨーロッパの便所の違いを知ったのもこの本ですし、洗濯機がどこにおかれるか考えたのもこの本でした。目次には魅力的な言葉が並んでいます。
便所 「便所は誰でもこぼす」
   「小便器はもう要らない」
洗面所「洗面所は裏部屋ではない」
   「顔の洗い方と混合水洗」
居間 「それは茶の間でも応接間でもない」
   「家計簿はどこでつけるのか」

黒澤さんは住宅について、そこで行われる生活とそれを実現する技術に切り込んでいきます。住宅で使うことのできる製品を詳細に調べ研究していきます。

黒澤さんの考えは「生活、文化、技術。」と題された序によく現れています。少し長いですが、一部を紹介します。

「住宅は生活の容器です・
容器の論理―建築学―の立場だけで、なかなか住宅を見抜けないのは、中身としての生活が抜け落ちやすい、容器だけに関心が集まりやすいからです。むしろ生活そのものに視点を移したほうが、だから、まだしも住宅を見抜けます。
しかし、生活に関心が集まれば集まるほど、人々はなぜそのような生活をしているか知りたくなります。つまり、場所が変わるとなぜ生活は違うのか、時代が違うとなぜ生活も違うのかという不思議さと同じように、いまなぜこのような生活をしているのか、この生活をきめているのは何だろうかが、にわかに気になりだします。―略―
生活は社会によって規定され、技術によって構造を得る事は確かですが、こういう因果関係の中から今日の日本における生活のあるべき姿、それはより明確になるはずです。
ここでいう社会とは、ある場所におけるある時代の社会関係、つまり生産のあり方や組織、また風土文物とかを指しています。しかし、生活はそうした社会によって規定されていると同時に、いちいち具体的な物質が介在し、それによって成立していることも事実です。其の物質を作り出すのが技術ですから、直接には、生活は技術によって構造を得ています。それぞれの社会における技術水準や技術のあり方がまたきわめて具体的に生活を構造付けていることはいうまでもありません。
そういう生活という実像をうきぼりにする社会と技術の全体を、われわれは文化と呼びます。」

どうですか。私は高齢者の住まいも、黒澤隆さんが30年前に行った検討を早急に行わなければいけないと考えています。

このブログで、ユニットバスや床材などの検討を始めているのも、この考えに基づいています。

高齢者の住まいは特養の焼き直しとワンルームマンションの焼きなおしに大別されます。
黒澤隆さんたちが、個室を研究したように、高齢者の住まいの個室を研究しなければいけません。行政主導できめられた特養の居室に引きずられてはいけません。30年前に、個室には何着の服があるか研究したように、高齢者は何着の服を持っているか調べなければいけません。音楽も聴くし、電話もかけるし、そこで行われる生活をはっきりさせ、それを実現する製品を調べましょう。

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さらに、高齢者の居室は住み手の変化にどのように対応するか、考えなければいけません。それもコストを考えてです。コストに注目すれば、現在安価で手に入る製品の調査見極めが大事になります。

私たちは、介護システムと、建築・設備システムを総合的に考えた高齢者の住まいを日本シルバーリビング新聞と共同で開発しています。
高齢者の住まいを支えるのは、建築の技術だけでは無理です。介護のシステム、それも高齢者の状況によって可変対応のできるシステムと一体となって、つまり、建築システムと介護システムの両方の技術がそろって、はじめて、黒澤隆さんのいう「生活は社会によって規定され、技術(建築・介護)によって構造を得るのです。」

これから数回、住まいの建具について書きます。高齢者の住まいはなぜ引き戸を使うのでしょうか。ヨーロッパの高齢者の住まいは、ほとんどが開き戸です。」

高齢者住まい講座8回床材はイミテーションの世界

高齢者の住まい講座 第8回  砂山憲一

今年の2月頃、床材メーカーのロンシールの方が来られたので、高齢者の床材について整理してくださいと下記のようなお願いをしました。

高齢者の住まい 床材の検討
目的
特養などの高齢者用の施設と、住宅の間に位置する高齢者を対象とした「新しい住まい」がこれから増えてきます。
この「新しい住まい」は住宅で暮らすより、安全・安心を求めて移り住む方を対象としています。其の特徴は体が何らかの形で不自由になっていることです。
高齢者の体の不自由さを図る尺度としては、介護度が上げられます。特養は介護度3以上を対象としています。したがって特養では自立して生活できないことが前提となっています。
「新しい住まい」は訪問介護などのサービスを利用して生活し、自立を前提としています。しかし、体の不自由さを助けるために、建築的な工夫が要求されます。
ゆう建築設計では、これから増大する高齢者の住まいを実際に設計するに当たって、様々な建築既製品をどのように利用すればよいか検討を進めています。

高齢者の住まいに使われる内装材に関しても整理を進めたいと考えています。

高齢者の住まいの内装材に要求される機能は下記のようになります。

l入居者は健康な方から、要支援、介護度3程度までを想定する。
l車椅子を使われる方もある。

l住宅という要素と掃除をしやすい、清潔という要素をどのように兼ね備えるか。病院や特養では清潔ということが優先されていますが、「新しい住まい」は住宅という要素が大きくあります。したがって雰囲気を考えると、絨毯や木材という選択になるのですが、住宅では毎日掃除をすることが前提となりますので、この掃除が入居者の負担になることも確かです。
l歩行と車椅子という重量の違うものをどのように扱うか。
l高級なところでは床暖房の可能性もある。
l塩ビ系の床材も各種あるが、それぞれの製品の特徴を再度確認する。介護度という切り口で違いがあるか。
l居室内トイレの床材はどのような材料が良いか。介護度が高くなるにつれて、失禁などの粗相をするケースも出てくる。床を汚す可能性が高いため、床材の検討が必要。車椅子対応のトイレにすると、居室に占めるトイレの割合が大きく、居室全体の雰囲気に大きな影響を及ぼす。またドアを開け放しておく場合も多く、見え方も大切になる。

今読んでみますと、なんとも締りのない文章ですが、ロンシールの方はまじめに取り組んで下さっています。数ヶ月ごとに、提案して下さり、現状のロンシール製品と、高齢者の住まいの関連がはっきりしてきました。

其の中で、私は塩ビ系床材を見直しています。塩ビ系床材は病院で多く使われています。特養の様な居住系施設でもよく使われています。それは掃除がしやすく、施設内を清潔に保てるからです。しかし、一般住宅には多くは使われません。脱衣室など、水がかかる一部の部屋だけです。
高齢者の住まいは施設よりも、住宅に近い性格が求められます。とすれば、絨毯、木材、たたみ、高級な所では石張りなどが選択されます。
でも居室内の汚れのことを考えると、塩ビ系床材は飛びぬけています。そこで、はたと気がついたこと。イミテーションも悪くはないのでは、ということです。建築は本物で作られるのがいいという考えから言えば、塩ビで作った木材風の床は許せないのですが、病院や特養ではすでに幅広く使われています。
私も、塩ビの木材より本物の木材がいいと思っているほうですが、ある既存特養を、個室化しユニット化する中で、考えを変えました。それは担当したK君が塩ビで作られた畳を床に使ったのです。

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これが部屋をいい雰囲気にしています。天井の木目もクロスです。

この塩ビ畳はエンボスがかなりきつく入っています。どの程度よごっれてくるか注意深く見ています。

同じように、使ってみて面白いと思ったのはロンシールの絨毯にできるだけ近づこうとした、床材です。なんと塩ビに麻を混ぜているのです。それも表面に麻が出てきています。
かなり見た目は、塩ビを感じさせなくなっています。他のメーカーにも、絨毯をまねた塩ビ床材はありますが、ここまでこだわっていません。
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掃除のしやすさは、車椅子対応のしやすさ、コストを考えたとき、住まいの雰囲気を持つ材料を、できるだけ似せて塩ビで作ろうとする試みは、一つの可能制をひめていると思っています。

第7回 自分ではいれる浴槽、介護を受けながら入る浴槽「パンジー」の可能性について

第7回高齢者の住まい講座

自分ではいれる浴槽、介護を受けながら入る浴槽
「パンジー」の可能性について
                    砂山憲一
高齢者ができるだけ自宅に住み続けるためには、お風呂にどうやって入るかが大きなポイントです。また様々な高齢者の住まいにとっても、住み手にどのようなお風呂を準備するかが大事な点です。

お風呂についても様々な製品がでています。この高齢者の住まい講座でも既製品のユニットバスについて調べてきました。
セキスイやナショナルでは、介護を考えたユニットバスが発売されています。これらの製品の製作コンセプトは介護がしやすいということです。つまり一人ではいるのはなく他の方の介護を受けながらお風呂に入るという発想です。一人で入ることができる方にとっては、段差がないとか、浴槽の立ち上がりが低いとか、バスタブのふちにいったん座ってから浴槽に入れるとか、いくつかの工夫がされたユニットバスが作られています。
浴槽のもう一つのカテゴリーとして、機械浴といわれるものがあります。これは寝たきりの方や車椅子の方がそのままの姿勢ではいれるように工夫されたものです。
こうやって見ますと、高齢者の方のお風呂は下記のように分類できます。

・機械浴  機械の仕組みで、体の不自由さをカバーする仕組み。ほぼ御自分で動くことはない。特養などの施設で使われている。介護度3以上の方が対象。

・介護浴槽 介護しやすい仕組みだが、機械にたよることはない。介護を受けながらお風呂に入る。 ユニット型の特養、老人用マンションなど。介護度2程度まで。

・高齢者用の浴槽  バリアフリーなどが考慮され、お一人で入る前提のお風呂。老人用マンション、一般住宅など。介護度1程度まで。

これから増えていく、高齢者用の住まいを考えるとき、最初の機械浴は対応できません。介護浴槽は老人用マンションのそれぞれの居室に置くには大きすぎます。となると高齢者用の住まいにはバリアフリーが考慮されたユニットバスという選択しかありません。

介護の力を借りずに入れる浴槽、少し機械の力を借りてでも一人では入れる浴槽があればよいと思われるでしょう。
先に述べた3種類の浴槽のうち、前の2種は介護をしやすいという発想で作られたものです。
実は浴槽で、自力で入るための工夫はそんなにされていないのが実情です。既存の浴槽にすこし工夫をして自力では入れる浴槽を作れないか。それができれば、大量に供給される高齢者用の住まいの採用できます。

酒井医療から発売されている「パンジー」という製品がこの発想で作られています。
http://www.sakaimed.co.jp/service/bath/product04.html

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(上記写真は酒井医療ホームページからの転載です。)
この製品の開発コンセプトも掲載されています。
http://www.sakaimed.co.jp/brand/develop/bath01.html

「入浴装置らしくない普通のお風呂をつくろう」というのが開発のスタートです。
私が注目するのはリフトのついていないシンプルタイプです。
浴槽の立ち上がり部分が上下し、またぎの負担がないタイプです。この仕組みがあるだけでもお一人でお風呂に入れる方が増えると思います。定価は125万円程度のようです。

酒井医療の方に聞きますと、年間500台程度が出荷されています。今年は更に増えていくようですが、この数字はこの浴槽の現状を表していると感じます。
売る側も、使う側も特殊浴槽と判断しています。開発の原点は「普通のお風呂」なのですが、残念ながら普通のお風呂にはなっていないのです。このパンジーはさらにいろいろ工夫されて使いやすいものが出てくるようですが、今のままでは「普通のお風呂」にはならないでしょう。酒井医療の方のお話では、500台を更に伸ばしていかれるそうですが、1万台を売るにはどのような商品にするかと発想を変えなければ、「普通のお風呂」にはならないでしょう。

このパンジーには、おおきな可能性を感じます。それ以上に「普通のお風呂」を作ろうとした企業の姿勢に賛同します。
このパンジーで「普通のお風呂」ができたと思わず、高齢者の方たちが自力ではいれるお風呂を研究、開発してほしいと思います。

第6回 床にじゅうたんを使えます。 東リ 病院用タイルカーペットは使ってみたい材料

第6回 床にじゅうたんを使えます。 東リ 病院用タイルカーペットは使ってみたい材料
                       砂山憲一

今回は高齢者の住まいの内装について考えます。
高齢者の住まいの内装に使える材料は、一般の住宅やマンションと一緒なのでしょうか。病院や特養等の施設と自宅の中間に位置する高齢者の住まいを「新しい住まい」と位置づけています。特養などの施設と自宅では使う内装材は違うのでしょうか。また其の中間と位置づけられる「新しい住まい」の内装はどうすればよいのでしょうか。

内装のうち床材について考えて見ます。

①病院の床材
病院といっても大きく2種類に分かれます。短期間で退院されていく急性期の患者さんを対象としたものと、療養型病床と言われる長期間にわたって入院される方を対象としたものです。
急性期の病院は短期間ですから、患者さんにとっても「住まい」としての感覚は少ないと思います。しかし療養型では長期間そこですごされるわけですから、「住まい」として考える方も多いと思います。いずれにしろ、医療が終われば退院されていく事が前提ですから「住まい」としての位置づけは希薄なことは確かです。
この病院の床材にも求められる機能はいくつかあります。
・清潔に室内を保てること。
・歩行以外に車椅子やストレッチャーの使用に耐えること。

病院の内装で大事な機能は院内感染を起こさない工夫です。常に清潔を保つためには清掃が非常に重要です。病院の清掃はオフロケーションという仕組みが最近は多く採用されています。また床材を壁に巻き上げ、隅に溜まった埃をモップでふき取りやすくするディテールも広く行われるようになりました。
病院内での清掃の考え方は、空中の埃を床に落とし、それを熱湯消毒をしたモップでふき取ります。そのため床材は埃をふき取りやすいものが良いとされています。代表的なものは塩ビ系の長尺床材です。
じゅうたんなどは、埃が溜まりやすく病院の床材としては適さないとされています。しかし最近ではじゅうたんの特性である、柔らかい雰囲気や歩行音の小ささなど良い点に着目して使われているところもあります。

2番目の車椅子やストレッチャーの走行に耐えるという点でも塩ビ系の床材が優れています。

東リ株式会社が自社の製品の各種性能を発表していますので、其の中から「キャスター走行性」について見てみます。

床材のキャスター走行性(東リ医療・福祉施設向けカタログ メディカルウェル 2003.09 社内データー 数値は試験値であり、保証値ではありません)

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この資料からわかるように、塩ビ系の床材と、じゅうたんとでは走行性に大きな隔たりがあります。
床材の種類/ 商品名 / 移動開始時の荷重(㎏)/ 等速移動時の荷重(㎏)
織布積層ビニール床シート/ フロアリュームリッチ/ 1.6 / 1.3
織布積層発泡ビニール床シート/ホスピリューム/2.5/1.5
タイルカーペット/ GA-100/6.2/4.1

タイルカーペットでは、ビニール床シートに比べて、車椅子を押すときに3倍から4倍の力がいることがわかります。つまりカーペット類は病院などの床材としては基本的な欠点があるといっても過言ではありません。

ところが、この欠点を解消した病院用のタイルカーペットが発売されています。
東リの「病院用タイルカーペット GA-9900」です。問題の車椅子などの走行性能は下記のように説明されています。

キャスター走行性
車椅子や移動ベッドが楽に動かせます。
カーペットの弱点は、キャスターが転がりにくいことでした。
GA9900は、高密度にパイルを打ち込んだレベルループを採用し、車輪のめり込みや表面のルーフパイルと糸との摩擦係数を少なくしています。
動きやすい適度な硬さを保つため、動き始めや移動時の負荷を低減し、他のカーペットに比べキャスター走行性に優れます。
(東リ グランドアートGA-9900 カタログの説明より)
其の性能を判断するために2種類の試験を行っています。
試験①
キャスター付の台車をスロープから走行させ、移動距離を測定しています。
床財の種類/商品名/20㎏荷重(点滴台を想定)/80㎏荷重(車椅子を想定)
タイルカーペット/GA100/167㎝/122㎝
タイルカーペット/GA9900/220㎝/132㎝
(東リ グランドアートGA-9900 カタログの説明より 結果は実測値であり、保証値ではありません)
試験②
台車が動き始める時の荷重を測定しています。
床材の種類/商品名/20㎏荷重(点滴台を想定)/80㎏荷重(車椅子を想定)
タイルカーペット/GA100/1.93㎏/4.95㎏
タイルカーペット/GA9900/1.34㎏/4.06㎏
(東リ グランドアートGA-9900 カタログの説明より 結果は実測値であり、保証値ではありません)

先のカタログ メディカルウェルのGA100の走行データーと同じ条件ではありませんので、病院用タイルカーペットGA9900がビニール床シートの走行性能とどういう関係にあるかははっきりしません。
また一般的なタイルカーペットGA100に比べて押す力が極端に低減されているわけでもありません。この押すときに必要な力、4.95㎏と4.06㎏の違いは数字からはなかなか想像できませんが、ビニールシート床材ほどスムーズではなくとも、力の弱い方でも押せるようであれば、病院のような施設にも使えることになります。
残念ながら私どもでは、まだ使用したことはないのですが、ぜひ一度施工されている施設で車椅子を使ってみて体験したいものです。
このカタログでも書かれていますが、カーペットには様々な良い点があります。
・深夜。寝静まったころも足音が気にならない。
・水でぬれた場合でも滑りにくい。
・万一転倒しても強い衝撃を与えない。
・光沢がなく、まぶしくないため目が疲れにくい。

カーペットの欠点であるキャスター走行性を改良した製品は、医療・福祉施設にとっては望まれていたものです。
私どもでも、早急に実験を行い採用してみたい製品です。

②特養の床材
特養は病院に比べれば、私たちの「住まい」に持っている感覚に随分近くなります。特養も従来の多少室を中心とした施設と、ユニット方特養といわれる、より住宅のスケールに近づけたものがあります。
特養の床材も、これまでは病院の床材と同じような発想で使用されています。病院ほど施設内の清潔さにこだわらなくてもよいのですが、やはり車椅子のことなどを考慮すると、ビニールシートの使用が大半を占めています。

③「新しい住まい(高齢者の住まい・老人用マンション)」の床材

老人用のマンションが、病院や特養と違うのは、「住まい」だということです。掃除の仕方も住宅と同じです。一派の住宅の床材が木であったりじゅうたんであるように、ビニールシートの床材があまり使われないように、高齢者の住まいも住宅に使われる床材が望ましいものです。
其の中で、一般住宅と違う機能はどのようなものがあるのでしょうか。
・車椅子を使う方もある。
・掃除をまめにするのはしんどい方もある。また細かいごみが見えない。
・失禁する方もある。

このような要求を満足するものを探すと、病院の床材・ビニールシートになってきます。
でも高齢者の住まいは住宅なのです。
そのような状況のなかで、病院用に開発されたタイルカーペットは注目されて良いと思います。
老人用マンションの床材として具体的に使用することも検討しています。但し一般のタイルカーペットに比べて高いことが問題です。
「新しい住まい」を特養や病院の延長線上で考えるのではなく、住宅の延長線上で考えたい私にとっては、このタイルカーペットは使ってみたい材料です。

高齢者住まい講座5回 ユニットバスに手すりは自由につけられる 

高齢者の住まい講座 第5回                  砂山憲一
ユニットバスに手すりは自由につけられる

高齢者の住まいにとって手すりは重要です。特養を初めてとして、高齢者を対象とした施設は、建物の中に手すりを張り巡らしています。多くの方が共用で使う手すりは、高さや取り付け位置も大体決まってきます。
ところが、老人用のマンションの居室内手すりは、全く考え方が違ってきます。そこに住んでおられる方の、体の状況が沿うれぞれ違うわけですんので、其のお体にあった手すりの付け方が必要となります。
一般的に建築設計や施工の段階では、そこに住まわれる方がわかりませんので、手すりの付けかたも、個性に合わせてというわけにはいきません。せっかくつけても役に立たない手すりが出てくるわけです。
ある老人マンションの事業主は、手すりをすべて跡付けにしています。自治体によっては手すりの補助を行っているところもありますので、建設費を下げることにもなります。

では一番手すりの必要である、入浴の手すりはどうなっているでしょうか。これから老人マンションではユニットバスが使われていきますが、各社の状況を調べてみましょう。

Bl認定の手すり基準
手すりの基準には財団法人ベターリビングが決めている、
優良住宅部品評価基準
Evaluation Standard for Quality Housing Component
歩行・動作補助手すり
Supplementary Handrails for Walking and Mobility
が参考となります。
財団法事人ベターリビングのホームページから引用します。

手すりには2種類あります。
a) 歩行補助手すり:歩行を補助するために手を滑らせながら使用する手すりで、主に室内外の廊下、階段に設置して用いるものをいう。
b) 動作補助手すり:立ち上がる、座る、姿勢を保持するなどの動作を補助するために、握って使用する手すりで、主に浴室、便所、洗面所に用いるものをいう。

其の評価基準です。
手すり及び取付金物の強度
a) 歩行補助手すりの水平・鉛直荷重試験
歩行補助手すりは、壁に相当する模擬躯体に取り付けた手すり中央に、1スパン1800
㎜以下の場合は1,150N(120㎏f)、1スパン1800㎜を超える場合は、スパン長さをL㎜
として、1150L/1800 N(L/15 ㎏f)の水平・鉛直荷重をかけ、レール及び取付金物の
ガタツキ、外れ、ひび割れ、破壊やレールの有害な変形を生じないこと。
b) 動作補助手すりの水平・鉛直荷重試験
動作補助手すりは、壁に相当する模擬躯体又は浴室パネルに取り付けた手すりの1端部
及び中央部に590N(60㎏f)の水平・鉛直荷重試験を順次にかけ、レール及び取付金物の
ガタツキ、外れ、ひび割れ、破壊を生じないこと。

このように、歩行用手すりは120キロの力、動作補助手すりは60キロの力に耐えれるように取り付けられなくてはいけません。

各メーカのユニットバスへの跡付けてすりについて
ユニットバスに手すりを後付できるかどうか、セキスイ、ナショナル、TOTOに問い合わせました。
TOTOは可能、セキスイは不可、ナショナルはまだ返事がない状況です。
カタログなどを見る限り、手すりについて整理されているのはTOTOです。TOTOは「手すりカタログ」という手すり専用のカタログを発行しています。其の中では、様々なタイプの手すりが紹介されていますが、各手すりの最大荷重も明記されています。
インテリアバーFシリーズ  一般住宅用 最大荷重  垂直荷重1kN,水平荷重800N
インテリアバー(コンテンポラリータイプ)最大荷重 垂直荷重1.5kN,水平荷重800N
ハンドグリップ             最大荷重 垂直・水平600N(BL基準相当)

ユニットバスの後付タイプも垂直・水平荷重600Nとなっています。

この後付けタイプは、これからの老人マンションで広く使われていくことになるでしょう。

TOTOの後付てすりとユニットバス
ファイル 22-1.jpg

作っていないメーカーも工夫をしてほしいところです。

なお問い合わせにセキスイからは下記のような回答をいただきました。
「さて、ご質問の「ユニットバスの壁面への手摺の後付」ですが、
当社の介護浴室基準では、予め手摺補強の入っている場所への取付
以外は基本的に不可としています。
理由は『取付強度の信頼性が保てないため』です。」

各社の技術基準で判断されていますので、それぞれのお考えがあるのですが、使う側から言いますと後付け手すりの技術的検討はぜひ進めてほしいものです。

既製品ユニットバスは高齢者の住まいにつかえるか

高齢者の住まい講座 4回目                砂山憲一
既製品ユニットバスは高齢者の住まいにつかえるか

既製品のユニットバスは介護対応をしているものとしていないものに分類されます。介護対応をしているものは、介護の方がユニットバス内に入ることを想定して、バスタブの両サイドに40センチの空間があります。この介護対応を製作しているのはセキスイとナショナルの2社だけです。この2社もセキスイはユニットバスそのものが左右に移動することができ、移動すれば80センチの空間ができます。80センチあれば車椅子が寄り付くことができ、介護しやすくなります。
そのほかのメーカーはこのようなユニットバスは作っていません。

これから増えていく高齢者の住まいは、特養等の施設と違って、御自分で生活できる方を想定しています。介護度が2から3程度の方を想定しています。ではこのような方に既製品のユニットバスは対応できるのでしょうか。
現状の製品がどのようになっているのか、積水ホームテクノに自社製品を介護度との対応で分析してもらいました。

ファイル 21-1.jpg

ファイル 21-2.jpg

セキスイの製品は介護対応したものとしていないものに分かれます。介護対応をしているものは介護を受けることを前提としていますが、介護度4程度まで対応できるという結果になっています。
一般にバリアフリー浴室といわれるものは要支援までの対応となり、手すりなどを追加すれば要介護1程度まで対応となります。
この結果、高齢者の住まいに要介護2の方も対称とすれば、介護対応浴槽を使わなければいけないことがわかります。
基本的に介護対応浴槽は、協同で使う浴槽を想定していますので、高齢者の住まいの各居室に設置するには価格と必要面積で無理が生じます。
私どもの設計中の老人マンションでも、介護度3程度の方までを対象としていますので、半数はバリアフリー浴室を設置し、半数をシャワーブースとしています。

老人用マンションに、ユニットバスをどのように使うか、難しいところです。

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