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カテゴリー「精神科病院」の検索結果は以下のとおりです。

《医療観察法病棟に学ぶ急性期病棟のあり方-3 S病院の視察-後半》

                              
                        衛藤 照夫

医療観察法病棟では、離院や外部からの侵入、接触などの防御に力が注がれています。その為建物の周囲は4m程度の高い塀で囲まれています。

医療的には、重篤な患者に集中的な治療を提供し、短期間で外来通院状態から通常の精神保健福祉処遇段階に進めるために医療チームの努力が求められているようです。医療スタッフと患者の比率は日中1:1以上で多くのスタッフが治療に専念している感が見受けられます。かなり広いスタッフルームには、監視モニターがあり、また鍵の施錠の記録がコンピュータでシステム管理がなされています。ここの看護士長は、「やるべきことはいくらでもあり、やりがいもあります。」と話されていました。

病棟は全体的に明るく開放的な雰囲気で、急性期ユニットにある保護室も内装のデザインは非日常性がかなり押さえられています。それ以外の病室でもドアハンドルや壁突起物、天井の空調吹き出し格子などは、ひも状のものを掛ける可能性を排除しているのは当然ですが、監視カメラも目立たない形状を使うなどの工夫がなされていますが、ここでもあまりに非日常的なデイテールは特にありません。強化ガラスにフィルム貼りの窓は、15㎝以上開かない開放制限されていますが、透明ガラスで外部の庭はよく見渡せます。天井にはPHSのアンテナも設けられています。回復期ユニットでは、監視カメラもありません。社会復帰期ユニット病室には通常のバスユニットが設けられています。

ホールには自販機が置かれていますが、中身の缶類は他の医療観察法病棟でも同様ですが、紙製の缶が使用されています。

作業療法室では、使用材料のナイフや調理用の包丁等の管理は徹底されていますが、がんじがらめという雰囲気はありません。

以下、参考プランのスケッチです。

ファイル 35-1.jpg
中央部分にスタッフステーションから見通しのよいホールがあり、ここから4つの病室ユニットと1つの診察ユニットに繋がっています。病室ユニットは、3~6の個室病室と洗面、トイレ、浴室等からなる、急性期(青)、回復期(緑)、社会復帰期(黄)と今は女性用に使用している共用(ピンク)の4ユニットです。診察ユニットは、診察室、処置室、集団療養室、室内スポーツ室等で構成されています。

《医療観察法病棟に学ぶ急性期病棟のあり方-2 S病院の視察-前半》 

                                                      衛藤 照夫

前回は、医療観察法病棟の概要について、その役割や概念を厚生労働省から出されている情報を基にしてお伝えしたのですが、今回からは見学しての感想を軸に医療観察法病棟の姿をお伝えします。

独立行政法人国立病院機構S病院

温泉町にあるこの病院は駅からタクシーで20分程度の山間にあります。

医療観察法病棟は国が進める制度で国立、府県立病院に整備するものです。重大な犯罪の被疑者が不起訴、あるいは無罪等の判決になった場合に入院あるいは通院により社会復帰までの治療等を行うもので、本来30床、全室個室で症状の段階に応じたユニットケア型病棟を持ち、医師、看護士を多数投入し集中して治療効果を挙げることが目論まれているものです。

今回の見学は、京都府立洛南病院の岡江院長先生がその整備のための調査研究されることへの微力ながらのご協力をするものです。当初は精神科病院設計情報への興味から参加させていただいたのですが、実はこの病棟は精神科急性期治療病棟の設計への大きな示唆に富むものであることが解ったのです。

以上の理由によりはじめたブログですが、見学で得た内容を軸に進めてゆきます。

見学した医療観察法病棟はS病院の本館とは別棟となっています。全体が高いフェンスで囲われていますが、特に玄関は病棟の性格上厳重なセキュリティが用意され、入り口は外の扉が開いている限りは内側の扉は開かないインターロック構造となっています。危険物など(金属製で自傷他傷を引起す原因となるもの)の探知機も備えられています。警備室が面していて、確認がすまない限りは入れません。靴やズボンの検査時に計器に床の鉄筋が反応するので建築上の注意が必要だとのことです。

内部に入ると、まず職員休憩室や面会室などの管理部分にはいります。情報管理室には、監理プログラムのサーバが置かれています。その奥にスタッフステーション前のホールがあり、ここに4つの病床ユニットが接続されています。ユニットは、急性期、回復期、社会復帰期のユニットと女性用に使っている共用ユニットの4つです。3~6病床がある各ユニットはホールから分岐するような形で繋がり、出入りは通常は自由になっています。ユニットは急性期がブルー、回復期がグリーン、社会復帰期がイエロー、共用がピンクと内装(扉等)の色分けがなされています。病棟内は通常の精神科を見慣れた目には、窓が多く明るく開放的です。

4つのユニット以外に、入ってきた管理部門と別に療法室関係部門が繋がっています。この部門には、集団療法室を中心に作業療法室、診察室、心理療法室等とともに、屋内スポーツ室が設けられています。離院のリスクを減らすため病棟内にこのようなスポーツ室が設けられているのですが、患者さんの気晴らしにも大いに有効であるとのことでした。(S病院視察 後半に続く)

《医療観察病棟に学ぶ急性期病棟のあり方-1》

衛藤 照夫

最近、医療観察病棟を4件見学する機会がありました。司法入院病棟ともよばれる
この病棟は、03年に制定され05年に施行された心神喪失者(等)医療観察法によ
り定められた入院施設です。殺人など重大犯罪行為者の被疑者が心神喪失等の理由
で不起訴や無罪判決を得た場合に、入院させ治療行為を行うものですが、従来は措
置入院制度によっていましたが不備な点がありそれらを改善するものとして創設さ
れた制度です。

この制度では、医療と司法が連携して被疑者に必要な処置を行うとともに、被疑者
の人権に配慮した治療方法を目指しています。また、社会復帰までの道筋をスピー
ディーに行うことも目的の一つです。

ともあれ、我々建築設計に関わるものとしては、ここに盛り込まれているさまざま
な建築的工夫やデザインを精神科病院の設計に役立てることが可能である点が大き
なメリットであると考えます。
本精神科ブログでは、急性期病棟の設計に役立つ医療観察病棟で得た知見をご紹介
して行きます。

さて、まず医療観察病棟の概要を旧制度と比較して説明します。
ファイル 33-1.jpg
上図で解るように、旧法では、重大な犯罪に当たる行為を行った被疑者が不
起訴、あるいは無罪判決等となった場合、措置入院とすることができました。し
かし、入院の内容や期間、退院後の措置が不適切であったり、被害者がその情況
を知ることができないなどいくつかの不備な点を改善するべく改正されたのが医
療観察法です。大阪府下の小学校で起きた不幸な児童殺人事件犯人が過去に措置
入院を受けていたことも法改正の大きな契機となったようです。

さて、医療観察法の仕組みを見ますと、措置入院等が適当である被疑者を入院ま
たは、通院させるまでに至る経過が司法と医療の連携によるより綿密な処遇がな
されるようになっています。入院の場合が医療観察病棟への入院となるのですが、
十分な治療効果を挙げる体制が整えられているようです。

医療観察法では、不起訴、あるいは無罪判決等になったのち入院等の処置までが
改善されています。
ファイル 33-2.jpg
上図ででは、入院等の処置までの制度が入念になるとともに、入院後退院までが結構ス
ピー度かされ、この機関が治療のためのものであることが明快になっています。つまり、
精神科の患者の積極的な治療が行われる施設とその治療がどんなものかがここでは明確
となっています。

増える鬱病とストレスケア病棟

鬱病の広がりは驚くほどです。私自身も身近に鬱患者がいます。彼女自身が自分に合った
医療機関を必死に探していますがなかなか見つかりません。建築設計に携わるものとして、求められる医療施設が設計できればと思います。

さて、現在監理段階にある精神科病院では、先生がストレスケア病棟に力を入れられたものです。医療計画として患者さんの病状や生活状況に合わせた治療をお考えで、例えば男性サラリーマンの患者さんが病棟から出勤をすることまで視野にいれた対応も語られていました。
鬱病患者が増えているといっても、医療経営の観点からは専門病棟を整備するところまでは需要が見込めず、現在は急性期病棟をユニット化して一部をストレスケア病棟としています。

この計画でも急性期治療病棟の一部10床をそれに当てています。

収支のシミュレーションでは全て急性期とするよりも数字上は落ちますが、現実に急性期を満床とするためには看護体制の強化などの困難さがあり、互いがうまく補い合うことが期待されています。

一般的な急性期病棟とストレスケア病棟では建築的に、明確に区分けすることが重要です。入り口から別のルートを想定し、同一病棟ではあるが別の施設であるような雰囲気を持たせています。ストレスケア病棟はできるだけ病院的な雰囲気を避け、ホテルか共同住宅のような室内デザインとしています。監視の目を感じず自由に出入りできる動線や雰囲気を持たせています。
ファイル 20-1.jpg

建築家と精神科病院の設計  ~保護室編1~

担当者会議の第1回目のテーマは保護室です。         

 保護室とは、興奮状態で自傷、自殺、また他に危害を加える恐れがある患者を必要な期間隔離する部屋です。これらの目的を達成するための工夫がなされています。

 10年ほど前に、初めての精神科病院設計に先立って保護室を見学したときには複雑な気持でした。かなり古い設計の保護室は、のっぺらぼうな内装の部屋で、鉄格子がはまり入り口がある廊下と窓側の監察廊下から看視できるようになっています。室内のWCは金隠しのない、床に穴を開けただけの便器があり、これも外部から看視できる場所にあります。およそ、快適性や庇護感のない無機質な部屋です。天井は高く、寒々としていて早く離れたいような気持ちでした。

 全ては、自傷・他害を防止する機能的要請からでたもので、興奮した患者は、衣類やシーツの類を解き、サッシのクレセントや家具などの数10センチ程度の高さにある出っ張りに掛けて首を吊る。天井の照明器具を壊し、破片で手首を切るなどの説明でした。

 鉄格子はその後廃止され、その他建築材料の開発などから、強化ガラスの採用やFRP製の洋風便器などが使われるようになりました。しかし、精神科救急を行う病院などで重篤な患者を受け入れる場合は、看護職員の安全のために扉には食事を供給する小窓が付くなど収容型の保護室が必要とされています。

 ただ、精神科救急を行う病院はそれほど多くなく、多数の民間精神科病院では、精神療養病棟やストレスケア病棟など比較的穏やかな患者さんが、一時的な病状が納まるまでの病室として機能を考えることが多くなりました。もちろん重篤な患者さんのための保護室も必要で、このような保護室のあり方や設計内容はわれわれも研究課題としていますが、ストレスケア病棟に設ける保護室群を御紹介いたします。

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精神科病院を設計する  ~設計担当者会議から~

ゆう建築設計は数多くの精神科病院を設計してまいりました。

この中で得た知識や設計ノウハウを基にして、最善の精神科病院設計行っています。
最新の精神科病院設計では、ストレスケア病棟や認知症治療病棟を含めユニットケア病棟の思想が強く生かされています。
また、保護室のバックベッド問題を専用のデイルームを持つ個室転用型の保護室ユニットで緩和しています。
精神科外来、精神科通所のあり方や精神科と内科の併合診療に適した計画としています。

医療分野であるクライアントのご要望を確実に具現化するため、設計担当者会議を常時行っています。

このブログでは、この設計担当者会議でまとめたノウハウや知識を掲載してまいります。

ブログは企画設計段階、工事見積―契約段階、施工現場など各段階に即してすすめて参ります。
精神科病院の新築、改築工事の企画、設計、あるいは建築に関わられている方に見ていただきたいと考えています。
精神科病院を探している方や選択に困られているかたにも参考になると考えます。

御期待ください。

ファイル 11-1.jpg

精神科病院設計担当者会議
○衛藤照夫
 河津孝治
 清水大輔
 玉井英登
 木下博人

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