設計コンセプトConcept

知的障害

防犯対策

防犯の基本は未然に防ぐことです。
人が使う建物である以上、入口があり、常に施錠しているわけではありませんので外部からの進入を完璧に防ぐ方法はありません。ありませんが、防犯の確度を上げる為に幾重にも予防策を張ってておくことでそう簡単には進入できない(進入を諦める)構造にすることはできます。
防犯の対策にはソフトとハードがあります。ソフトの対策としては日頃から地域との関わりを持つことや、スタッフ間で防犯意識を高める話し合いを持つことや、警察や契約先の警備保障会社を巻き込んで防犯訓練シミュレーションを行うなど色々あります。ここでは、設計事務所の書く記事ですから、ハードでできることに焦点を絞って整理します。
私がシンプルで一番よいと思うのは、広い敷地の中央に建物を計画することです。建物に 至る前にまず周囲の一目につく為、その構造自体が開かれた防犯対策になる為です。しかし、いくら敷地が広くても民家がまばらな地域ではそもそも人目が少ないのでうまく機能しません。
一方で、都市部では敷地境界≒建物外壁といったケースが少なくありません。隣地三方に建物が建て込み、残る一方が道路のみに開かれている場合は隣の建物伝いに進入されない限り、ルートが絞れますのでそのルートに集中して対策を施すことになります。隣地の二方、三方が道路等に面している場合は、敷地と建物との間の空間を利用して防犯するということが難しいので建物外周沿いの窓に格子やシャッター、二重施錠に加えて感知センサーや防犯カメラを設置して対応することになります。
以下に、5つの段階に分けてハードでできる防犯対策を考えてみます。

1.外構計画
2.施錠方法と入退管理
3.開口部周りの対策(外部)
4.開口部周りの対策(内部)
5.開口部の強度を上げる

1.外構計画

外構計画については、上に述べた敷地の形状、広さといった特性を利用して進入を未然に防ぐ防犯対策になります。そして外構計画の段階で進入を防ぐことができなかった時に備えて入口の入退管理と開口部周りでの対策を考えていくことになります

2.施錠方法と入退管理

入退管理の第一のポイントは、鍵をつくるかどうかです。耐ピッキング性能が高く、合 鍵を簡単にはつくれないディンプルキーに交換するという方法もありますが、そもそも 鍵を使わない施錠とすることが最大の合鍵対策となります。鍵を使わない入退管理には、 下記のような方法があります。

外部周りの出入口を鍵で管理すると、合鍵を作られる可能性がある。鍵を使わない施錠方法にすることで防犯性を高める。 ①テンキー(防犯対策) ・スクランブルタイプは入力のたびに数字は位置が変わるテンキー ・防犯対策として暗証番号は日ごろからこまめに変え、職員退職時も変える必要があります。 ②カードリーダー(防犯+入退管理) ・カードによる出退管理を行う ③指紋認証システム ・指紋認証で出退管理を行う

3.開口部周りの対策(外部)

入退管理の対策は正面入口や勝手口等に限られますが、それ以外の開口部については シャッターや雨戸、面格子などの方法があります。シャッターや雨戸は時間や状況に 応じて開放度を調節できる利点があり、面格子は常時の防犯の他、そもそも進入を諦 めさせる視覚的効果もあります。

窓の外部側で防犯対策を行う。
○シャッター
・開閉方法は手動と電動がある
・外から無理に開けると自動でシャッターが降り、
 ロックがかかり、ランプ点滅で異常を知らせる
○雨戸
・防犯性を高めるために締まり錠を上下に付ける
○面格子
・取り付け用のねじは、防犯上室内側から留める

4.開口部周りの対策(内部)

次は、ガラスが破られることを前提に進入までの時間を稼ぐ方法をご紹介します。 下図にある3つの方法は、いずれもそれ自体に防犯対策としての強度があるというより も、進入に時間がかかっている内に外部の人目などが気になって進入を諦めることを主 に期待する補助的な対策になります。

サッシの主錠に加え、補助錠を取り付け2重のロックにすることで防犯性を高める。 ①補助ロック(下カマチ用) ・下カマチに補助ロックを取り付ける。 ②鍵付きクレセント ・鍵付きクレセントは2重にも設置可能 ③補助ロック(戸先用) ・戸先に補助ロックを取り付ける

5.開口部の強度を上げる

上記項目4のように、ガラスをこじ開けられてからの時間を稼ぐ方法の他に、ガラス自体の強 度をたかめる方法もあります。ただし、防犯フィルム等を貼ってガラス自体の強度を上 げることは、外から進入しにくいと同時に火災時等には外から破壊しての救助活動もし にくいこととセットで考える必要があります。

侵入手口はドライバーによる「こじ破り」 バールなどによる「打ち破り」による。 ①合わせガラス ・2枚のガラスの間にある中間膜の厚さを変える、ポリカーボネート板をはさむ、超強度のワイヤレス防火ガラスを使うなどして防犯性能を強化できる。 ②防犯フィルム ・薄い膜を多数積層することで、さらに厚みを増した最上位の防犯フィルムがあります。(右記)素材はポリエステルフィルム。

以上のように、ハードだけでも防犯対策には様々な方法がありますが、重要なのはそれらの防犯対策の組合せがソフトでの防犯対策とバランスが取れたものになっているかどうかだと考えます。そして、費用も大きな判断要素になります。状況や予算をお伝え頂ければ、その内容に沿った防犯対策をご提案致します。ハードでの防犯対策をご検討の際は、是非ご相談下さい。