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高齢者

施設の入浴

  • 2007/12/07
  • 高齢者

高齢者の住まい講座2回  砂山憲一
高齢者の住まいの入浴はどのようになっていくか。またそれに対応する製品が在るか検索する前に、介護どの高い方を対象にした特養や療養病床ではどのようなお風呂を使っているか検証します。
ここで取り上げるのは、2002年に竣工した療養型病床の設計段階における、様々な検討内容です。今からすでに6,7年前になるのですが、個浴の寸法や手すりの作り方を真剣に検討しています。

●脱衣室には2つのコーナーを計画
脱衣室は自立で衣服の脱着ができる方のコーナー、衣服の脱着に介助が必要な方のコーナーに分かれています。介助が必要な方には着せ替え台を設置しています。患者の方が座位を取れる時は低く、横臥の時は介助者に合わせて高くできるよう、昇降式になっています。
ファイル 18-1.jpg

□個人浴槽について
●全てが個人浴槽
浴室内には機械浴1台と個人浴槽3台を備えています。
座浴であることと、介助によりできれば全ての患者の方に浴槽につかっていただくことを入浴の基本と考えています。従って、この浴室では全ての浴槽が個人用です。
●安定して浸かれる小さめの浴槽を現場製作
浴槽の大きさは、入浴中の体のバランスをとりやすくするために、やや小さめの設計としています。既製の浴槽では大きすぎるため、最適な寸法のものを、体格に合わせ大小2種類現場製作します。
●小浴槽は反転タイプも設置
小浴槽は左麻痺、右麻痺どちらの人にも対応できるよう左右反転タイプも用意しています。個人浴槽の周り三方には介助スペースを確保しています。
●シャワードームを採用
機械浴は全身硬直などで座位が取れない方のために導入します。本来、入浴の原則は座浴ですが、やはり何名かは横臥式機械浴に頼らざるを得ません。横臥式機械浴は入浴に近い爽快感が得られる等の理由から寝浴(シャワー・ドーム)を採用しました。
●使いやすい洗い場
脱衣室からの動線を考慮し、自立の方用と介助が必要な方用の洗い場の位置を設定しています。
シャワー・チェアから立ち上がる際の縦手摺は、力が入りやすいように通常よりも狭い間隔で設置し、チェアに座ったまま手が届く位置にもシャワーカランを設けるなど、身体機能が低下しても、患者の方が出来る限り自分で使用できるような工夫をしています

浴室内部のレイアウトです。2種類の個浴が見えます。
ファイル 18-2.jpg

個浴をベニヤでつくり、深さや長さの寸法を確認しました。その結果、体の大きさに合わせて、2種類の個浴を作ることになりました。
ファイル 18-3.jpg

浴槽を使うときの手すりはどのような位置や形がよいか実験しています。麻痺の状況によって違うこともわかってきました。
ファイル 18-4.jpg

□大浴場

●個人浴槽での検討結果を大浴場にも採用
自立度の高い患者の方が自由に利用できる大浴場1ヶ所を病棟浴室とは別に1階に設けました。浴槽は、利用者の体が、湯の中で浮き上がりバランスを崩すことの無いよう、個人浴槽の寸法検討結果を活かして深さや浴槽内手摺間隔などを決めています。また、浴槽の湯面を広く取り、庭に面して開放感のあるゆったりとした浴室になっています。

ファイル 18-5.jpg

7年前のこのような実験はまだ珍しかったと思います。この結果に基づいて多くの浴室を作ってきました。また使われる方の意見によって、さらに様々な工夫を重ねてきました。

次回はユニットバスなどの大量生産品がどのような状況にあるか、メーカーごとに検証して行きます。