ブログInformation

精神科

《医療観察病棟に学ぶ急性期病棟のあり方-1》

  • 2008/07/15
  • 精神科

衛藤 照夫

最近、医療観察病棟を4件見学する機会がありました。司法入院病棟ともよばれる
この病棟は、03年に制定され05年に施行された心神喪失者(等)医療観察法によ
り定められた入院施設です。殺人など重大犯罪行為者の被疑者が心神喪失等の理由
で不起訴や無罪判決を得た場合に、入院させ治療行為を行うものですが、従来は措
置入院制度によっていましたが不備な点がありそれらを改善するものとして創設さ
れた制度です。

この制度では、医療と司法が連携して被疑者に必要な処置を行うとともに、被疑者
の人権に配慮した治療方法を目指しています。また、社会復帰までの道筋をスピー
ディーに行うことも目的の一つです。

ともあれ、我々建築設計に関わるものとしては、ここに盛り込まれているさまざま
な建築的工夫やデザインを精神科病院の設計に役立てることが可能である点が大き
なメリットであると考えます。
本精神科ブログでは、急性期病棟の設計に役立つ医療観察病棟で得た知見をご紹介
して行きます。

さて、まず医療観察病棟の概要を旧制度と比較して説明します。
ファイル 33-1.jpg
上図で解るように、旧法では、重大な犯罪に当たる行為を行った被疑者が不
起訴、あるいは無罪判決等となった場合、措置入院とすることができました。し
かし、入院の内容や期間、退院後の措置が不適切であったり、被害者がその情況
を知ることができないなどいくつかの不備な点を改善するべく改正されたのが医
療観察法です。大阪府下の小学校で起きた不幸な児童殺人事件犯人が過去に措置
入院を受けていたことも法改正の大きな契機となったようです。

さて、医療観察法の仕組みを見ますと、措置入院等が適当である被疑者を入院ま
たは、通院させるまでに至る経過が司法と医療の連携によるより綿密な処遇がな
されるようになっています。入院の場合が医療観察病棟への入院となるのですが、
十分な治療効果を挙げる体制が整えられているようです。

医療観察法では、不起訴、あるいは無罪判決等になったのち入院等の処置までが
改善されています。
ファイル 33-2.jpg
上図ででは、入院等の処置までの制度が入念になるとともに、入院後退院までが結構ス
ピー度かされ、この機関が治療のためのものであることが明快になっています。つまり、
精神科の患者の積極的な治療が行われる施設とその治療がどんなものかがここでは明確
となっています。