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精神科

《医療観察法病棟に学ぶ急性期病棟のあり方-2 S病院の視察-前半》 

  • 2008/07/20
  • 精神科

                                                      衛藤 照夫

前回は、医療観察法病棟の概要について、その役割や概念を厚生労働省から出されている情報を基にしてお伝えしたのですが、今回からは見学しての感想を軸に医療観察法病棟の姿をお伝えします。

独立行政法人国立病院機構S病院

温泉町にあるこの病院は駅からタクシーで20分程度の山間にあります。

医療観察法病棟は国が進める制度で国立、府県立病院に整備するものです。重大な犯罪の被疑者が不起訴、あるいは無罪等の判決になった場合に入院あるいは通院により社会復帰までの治療等を行うもので、本来30床、全室個室で症状の段階に応じたユニットケア型病棟を持ち、医師、看護士を多数投入し集中して治療効果を挙げることが目論まれているものです。

今回の見学は、京都府立洛南病院の岡江院長先生がその整備のための調査研究されることへの微力ながらのご協力をするものです。当初は精神科病院設計情報への興味から参加させていただいたのですが、実はこの病棟は精神科急性期治療病棟の設計への大きな示唆に富むものであることが解ったのです。

以上の理由によりはじめたブログですが、見学で得た内容を軸に進めてゆきます。

見学した医療観察法病棟はS病院の本館とは別棟となっています。全体が高いフェンスで囲われていますが、特に玄関は病棟の性格上厳重なセキュリティが用意され、入り口は外の扉が開いている限りは内側の扉は開かないインターロック構造となっています。危険物など(金属製で自傷他傷を引起す原因となるもの)の探知機も備えられています。警備室が面していて、確認がすまない限りは入れません。靴やズボンの検査時に計器に床の鉄筋が反応するので建築上の注意が必要だとのことです。

内部に入ると、まず職員休憩室や面会室などの管理部分にはいります。情報管理室には、監理プログラムのサーバが置かれています。その奥にスタッフステーション前のホールがあり、ここに4つの病床ユニットが接続されています。ユニットは、急性期、回復期、社会復帰期のユニットと女性用に使っている共用ユニットの4つです。3~6病床がある各ユニットはホールから分岐するような形で繋がり、出入りは通常は自由になっています。ユニットは急性期がブルー、回復期がグリーン、社会復帰期がイエロー、共用がピンクと内装(扉等)の色分けがなされています。病棟内は通常の精神科を見慣れた目には、窓が多く明るく開放的です。

4つのユニット以外に、入ってきた管理部門と別に療法室関係部門が繋がっています。この部門には、集団療法室を中心に作業療法室、診察室、心理療法室等とともに、屋内スポーツ室が設けられています。離院のリスクを減らすため病棟内にこのようなスポーツ室が設けられているのですが、患者さんの気晴らしにも大いに有効であるとのことでした。(S病院視察 後半に続く)