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精神科

《医療観察法病棟に学ぶ急性期病棟のあり方-3 S病院の視察-後半》

  • 2008/07/22
  • 精神科

                              
                        衛藤 照夫

医療観察法病棟では、離院や外部からの侵入、接触などの防御に力が注がれています。その為建物の周囲は4m程度の高い塀で囲まれています。

医療的には、重篤な患者に集中的な治療を提供し、短期間で外来通院状態から通常の精神保健福祉処遇段階に進めるために医療チームの努力が求められているようです。医療スタッフと患者の比率は日中1:1以上で多くのスタッフが治療に専念している感が見受けられます。かなり広いスタッフルームには、監視モニターがあり、また鍵の施錠の記録がコンピュータでシステム管理がなされています。ここの看護士長は、「やるべきことはいくらでもあり、やりがいもあります。」と話されていました。

病棟は全体的に明るく開放的な雰囲気で、急性期ユニットにある保護室も内装のデザインは非日常性がかなり押さえられています。それ以外の病室でもドアハンドルや壁突起物、天井の空調吹き出し格子などは、ひも状のものを掛ける可能性を排除しているのは当然ですが、監視カメラも目立たない形状を使うなどの工夫がなされていますが、ここでもあまりに非日常的なデイテールは特にありません。強化ガラスにフィルム貼りの窓は、15㎝以上開かない開放制限されていますが、透明ガラスで外部の庭はよく見渡せます。天井にはPHSのアンテナも設けられています。回復期ユニットでは、監視カメラもありません。社会復帰期ユニット病室には通常のバスユニットが設けられています。

ホールには自販機が置かれていますが、中身の缶類は他の医療観察法病棟でも同様ですが、紙製の缶が使用されています。

作業療法室では、使用材料のナイフや調理用の包丁等の管理は徹底されていますが、がんじがらめという雰囲気はありません。

以下、参考プランのスケッチです。

ファイル 35-1.jpg
中央部分にスタッフステーションから見通しのよいホールがあり、ここから4つの病室ユニットと1つの診察ユニットに繋がっています。病室ユニットは、3~6の個室病室と洗面、トイレ、浴室等からなる、急性期(青)、回復期(緑)、社会復帰期(黄)と今は女性用に使用している共用(ピンク)の4ユニットです。診察ユニットは、診察室、処置室、集団療養室、室内スポーツ室等で構成されています。