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時空読本 / No.09

古民家の再生・活用

  • 2001/01/01
  • 時空読本
  • No.09
再生・活用研究会
南高浜歴史民家再生・活用

吹田市は市内南高浜町に現存する、かつての江戸後期の庄屋屋敷の所有者から敷地・建物の寄贈を受け、これを役立てようと研究会を立ち上げることになりました。私たちは、研究会の委員として参加するとともに事務局支援業務を担当することになりました。研究会は、計18名の委員、アドバイザーより構成され、昨年8月から9回開催され、歴史民家の利用計画をはじめ、建築計画、運営計画について議論しました。
町家を含めて民家の再生・活用が盛んなこのごろですが、その背景に歴史・文化のまちづくりの視点が潜んでいます。土地に根づいた暮らしや文化の継承を軸とする生活文化を見直していこうという気運が高まっています。近代的なニュータウンなどが醸成してきた戦後の日本人の生活感へのアンティテーゼが、日本のニュータウンのメッカともいえるこの吹田市で発せられているのも感慨深いことです。

玄関

中庭から蔵を見る

ここ南高浜町は、吹田の発祥の地ともいえるところで、神崎川、安威川の水運とともに栄え
た在郷町です。またここは、吹田街道、亀岡街道の出発点、分岐点でもあります。昭和に入って吹田市役所も置かれたことのあるこの地域は、現在では、かつての隆盛の面影をわずかに残すのみで、現実には商住の混在した静かな地域に過ぎません。
しかし、古民家を再生・活用することを通して、地域やそこに暮らす人々のもつ歴史の記憶を辿る作業は、人の生き方を実際に探るような気持ちにさせられ、まちづくりの原点を感じさせられます。古建築を学術的に復元するのではなく、たびたび行われた改築増築も歴史の一こまとしての価値を見いだす再生作業。また、古民家にいにしえの暮らしを新鮮な驚きとともに発見し、それを利用していく方法を創造する活用計画が、現実に作用していくことを願いながら、提言書のまとめ作業をおこなっています。
中庭と母屋