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時空読本 / No.10

精神科病院の潮流

  • 2001/06/01
  • 時空読本
  • No.10
精神科病院
精神科病院の潮流
今、精神科病院の新築、増改築が増えています。ゆう建築設計でも、医療法改正に伴う精神科病院の増改築工事や新築工事の設計を手がけています。その背景にはどのような潮流があるのでしょうか?
21世紀の精神科病院
社団法人日本精神病院協会の仙波恒雄会長は21世紀における精神科医療の在り方と方向性の一つとして、
● 利用者の満足度の高い良質な医療の確保
をあげておられます。
また、このような方向性の中で精神科病院が生き残っていくための重要な課題として
● 病棟の機能分化
● 看護職員の確保、医師の確保ならびにチーム医療の成立する条件の検討
● 建替等による医療環境の改善の積極的推進
などをあげられています。
民間の精神科病院で、老人性痴呆疾患の治療に特化する病院の多くは、療養型病床群の建設を進める傾向が見られました。
さらに、近年は現行の精神医療の診療報酬体系において、多くの精神科病院は精神科急性期治療病棟入院料、 精神療養病棟入院料、老人性痴呆疾患治療病棟入院料、老人性痴呆疾患療養病棟入院料などの病床種別を設置しているところが増えています。
また、精神保健福祉法の改正を受け、脱施設化、社会復帰の潮流は医療機関におけるリハビリテーションの重要性を認識させ、作業療法、レクリエーション療法、集団精神療法が重視されていますし、通院医療の一形態として精神科デイケア科および精神科ナイトケア科が新設され、社会保険診療報酬の対象に位置付けられたリハビリテーション活動として進められています。
このようなリハビリテーション施設を含めた、精神科病院の総合施設化は病院経営の視点からも、消費者の視点からも時代の潮流と思われます。
第4次医療法改正
このような状況の中、平成13年3月に第4次医療法改正が行われました。
一般科は、一般病床と療養病床とに区分され、それぞれに人員基準、設備構造等が定められました。
精神科も設備構造等の新基準等が定められました。
今回の改正は医師と看護婦数、薬剤師数および構造設備基準についてですが、精神保健福祉士の国家資格化がすでになされており、作業療法士、臨床心理技術者等を含めこれらの職種を加えた人員基準も検討されることが必要とされています。今後、多職種による医療チームを導入してのチーム医療の実践に向けての精神科医療供給体制をつくることが重要課題であるといわれています。
既存精神科病院のハード整備
既存建物の増築、改修を考える精神科医療機関にとって、最大の関心事は、病床面積、廊下幅等の構造設備基準の数値と施行時期についてです。今回の第4次医療法改正では、既存病院については新基準適用は緩和されています。しかし、この運用については特定行政庁の判断にゆだねられているのが現状です。
制約の多い既存増築・改修の中で、法改正に対応し、利用者の満足を得、病院の機能分化を図れる効率のよいハード整備をどのように進めていくかが今後の事業展開の重要な課題になります。