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時空読本 / No.19

透析治療室の空調実験を通して 桃仁会病院

  • 2006/01/01
  • 時空読本
  • No.19
■Proposal

透析治療室の空調実験を通して

桃仁会病院新築工事では、患者様からの要望が多い空調設備について、根拠に基づいた設計を行うため、大掛かりな実験を行いました。

長時間同じ姿勢で治療を受ける透析治療では、空調機器からのドラフト(不快な冷気の流れ)を抑えることが重要です。

空調設備システムには様々な方式があり、システムそのものを高度で高価なものにすれば、比較的たやすく快適な環境が得られるかもしれません。

しかし、特別な費用を投じることなく、一般的な空調システムで、できる限り快適な環境を得ることを目指しました。

工事半ばの建物1階に、実物大の透析室を模型で再現しました。

天井高さ・カウンター高さ、照明器具の配置など、実際の透析室と同じ環境を作り上げ、実験に臨み、最も効果的な吹出し口の形状や設置位置を実験
しました。

その結果、根拠に基づき、納得した内容の透析室空調を実現しました。

実験の結果を取り入れ、完成した透析室。

間接照明の天井、0.1m/secを基準にし、
最も効果的な吹出口を採用して実現した
やさしい風の流れ、隣接距離を1.2m確保
した個別スペース、など無柱空間で広々
と快適な透析室が実現しました。

3種類の吹出口を設置して比較実験。
それぞれの気流の状態を機械測定だけでなく実際に体感もした。
実験によるデータの解析結果。
吹出口の種類によって、気流・温度の分布が異なり、風の流れに特徴のあることが分る。


実験室内は天井高・カウンター・照明など
実際の透析室を再現

室内測定器

気流測定装置
(三次元超音波風速計)

第34回日本医療福祉設備学会にて実験成果を発表しました。

第34回日本医療福祉設備学会のテーマは、まさに「エビデンスが求められる医療・福祉の展望」でした。

治療のみでなく、医療に関わる建築にもエビデンスが求められます。

桃仁会病院の空調実験における成果を、設備設計担当の㈱幹設備設計事務所・倉内が発表しました。
当日の分科会場は立ち見が出る盛況で、医療・福祉・建築関係者が熱心に耳を傾け、患者様にとって快適な空調
が実現したことに関心が寄せられました。

当日の分科会会場。プロジェクターにて実験の成果を発表